不登校について考えましょう ⑭学校へ行けていればいいというものではない 

(前回に引き続き、この夏に出かけたポルトガル-ロカ岬に刻まれている「ここに地果て 海始まる」の文字です。大航海時代の幕開

けです。植民地・帝国主義の始まりにもなっていくわけですが、何があるか分からない未知の海へ漕ぎ出す勇気はすごいです)

現在『不登校』について考えています。

第1回は、 「様子を見ましょう」とはどういうこと?

第2回は、 気持ちは、言葉にしなければ伝わらない

第3回は、 子どもや保護者と世間話ができる関係づくり

第4回は、 たくさんの子どもたちが、学校へ行っていないようだけど、どうなってるの?

第5回は、 不登校の理由は、不登校児童生徒自身でも分からない (不登校の特徴①)

第6回は、 不登校の理由は千差万別・十人十色 (不登校の特徴②) について考えきました。

第7回は、 不登校の子どもたちの悩み について考えました。

第8回は、 「不登校」の子どもたちは、学習の遅れを心配している について考えました。

第9回は、 「ひきこもり」になるのでは?という不安 について考えました。

第10回は、 不登校の子は社会性が育ちにくいー思考の偏りの怖さ について考えました。

第11回は、 「なんて」という言葉のもつネガティブな響き について考えました。

第12回は、 自己肯定感の芽生えーぼくを大切にしてくれた について考えました。

第13回は、 「自己肯定感」が芽生えた後の育ち方 について考えました。

 

そして、今回は「学校へ行けていれば大丈夫なのか?」について考えます。

昨年度まで、大学の教職課程で「特別活動」「生徒指導」について授業をしていました。

学生さんたちは、毎時間の授業の終わりに「振り返りシート」を書き、提出します。

その記述が内容が豊かで、こちらも勉強になることが多く、そのうちのいくつかは次回の導入に使わせてもらっていました。

その中に、「不登校」について以下の内容が記述されていました。

 

大学4年 来年度から教員になる女子学生の「振り返りシート」より

「今日の『不登校』の授業については、いつも以上に熱心に聴いていたと思う。それは、私の中2の妹が学校へ行っていないからだ。小学校の時も、あまり学校好きではなかったけれど、分団の上級生の子たちが呼びに来てくれると、何となく連れ出されたというかっこうで登校していた。しかし、中学生になって友だちと行くようになると、1年の間は、仲がよくどちらかというとお節介なAちゃんが、いろいろ世話してくれて、登校していたが、2年生になるとAちゃんが部活の朝練に行くようになって、妹は一人で登校するようになった。もともと友だちが少なかったので、そうなったのですが‥そうするうちに次第に休むようになり…先生やクラスの子が呼びに来てくれたりもしたけど‥2学期になってからはほとんど行けていない。先日、母親は「お姉ちゃんは何の問題もなく学校へ行ってくれたのに、○○(妹)は‥」と、父親に話していた。ちょっと、それは違うと思った。確かに、私は学校へ行っていた。母親が言うには「お姉ちゃんは昔ならば皆勤賞がもらえるね」と言ったことがあるが、そうかもしれない。しかし、私に何も問題がなかったわけではない。小学校から中学校・高校と、私は不登校になっていないし、いじめたりいじめられたりも体験していない。担任の先生から保護者会で「◇◇さん(私)は、みんなと仲良く穏やかにすごしています」と母親は毎年言われていた。だから、何も問題ないと思うのも、仕方ないことと考える。でも、それは違う。一度もいじめられたり、嫌な思いのために不登校にならなかったのは、私がいつも周りに合わせてきたからだ。小学校のときにレクで「何でもバスケットをやりたい」と思っても、みんなが「ドッジがいい」と言ったら「うん、ドッジがいい」と言い、中学校のときに職場体験学習で「イオンへ行ってみたい」と思っても、みんなが「幼稚園がいい」と言ったら「うん、幼稚園がいい」と言い、高校のときに「夏休みにみんなで勉強しない?」と誘われた時に「予備校の夏期講習へ行きたい」と思っていたけど、「うん、そうしたい」と言い‥そんなんだったから、とても平和な生活だった。でも、先月ゼミの先生から「ところで。◇◇さん(私)は何がやりたいの?」と訊かれて、何も答えられなかった。みんなに合わせていたから、私は私がどうしたいのか、分からない。妹とちがって、私は何も考えずにここまで来てしまったのかもしれない。」

という、記述がありました。

みなさんは、どのように思われますか?

「ともかくも、学校へ行けていたからいいじゃない」と思われるでしょうか。

確かに、彼女はずっと登校することができ、それなりに行事などに取り組み、周囲から見たら充実した学生生活をおくれたとも言える

でしょう。

しかし、彼女の「周囲に合わせすぎて、私は、私がどうしたいのか分からない」という心の声を聴くと、手放しで喜ぶ気持ちにはなれ

ません。

では、彼女はどうすればよかったのでしょうか。

その一つの答えとして、『自己肯定感』の低さを考えます。

小中高と、なぜ彼女は周囲のみんなに合わせてきたのでしょうか。

それは、彼女がへんな波風を立てるよりも、周囲に合わせておいた方が無難と考えたからですよね。

それはなぜか。

彼女が自分自身に、自信をもてていなかったからではないでしょうか。

現代のSNSの投稿なんて、まさしくそうですよね。

自分の○○自慢をしたいという意図も十分あるでしょうが、もう一つは「いいね」と言ってもらえることで、自分自身に自信がもてる

ようになるということではないでしょうか。

初めから、自分自身があれば、「いいね」なんて言ってもらわなくても、大丈夫なのです。

とりわけ、『同調圧力』が強い日本社会においては、こうしたことが言えると思います。

そう考えると、小中高となんら問題なく登校している子ども(そのように見える)でさえ、自分に自信がもてていないのですから、学

校へ行けてない子が、自分に自信をもてないなんで、当たり前ではないでしょうか。

そんな子どもたちに、少しでも自分自身への自信をもってもらいたい。

そのために、周囲の私たちは何ができるかを、次回考えていきましょう。

 

こうした身近な問題をもとに、参加者全員で話し合ったり、ロールプレイでスキルの練習をしたりする会【コミュニケーションカフ

ェ】を開いています。

リアルでもOnlineでも開催しています。

次回のリアルは、11月21日に行います。

ONLINRは、11月22日に行います。(会場の都合で4、チラシにある日程を変更しました)

詳しくは、このHPのトピックスをご覧ください。