不登校について考えましょう ⑧周囲にいる大人が気を付けたいこと その❶

(昨年の大阪万博のドローンショーです。昨年も暑かったですね)

8月になり、夏はますます苛酷になっていくようです。

お互い、健康に気を付けましょう。

 

現在『不登校』について考えています。

第1回は、 「様子を見ましょう」とはどういうこと?

第2回は、 気持ちは、言葉にしなければ伝わらない

第3回は、 子どもや保護者と世間話ができる関係づくり

第4回は、 たくさんの子どもたちが、学校へ行っていないようだけど、どうなってるの?

第5回は、 不登校の理由は、不登校児童生徒自身でも分からない (不登校の特徴①)

第6回は、 不登校の理由は千差万別・十人十色 (不登校の特徴②) について考えきました。

第7回は、 不登校の子どもたちの悩み について考えました。

不登校の子どもたちが、自分から口に出さなくても、さまざまなことを考え、悩んでいることがお分かりいただけたかと思います。

 

では、そんな悩みを抱えている彼等のために、私たち周囲の大人が気を付けたいことは、何でしょうか?

今回は、そのあたりについて考えていきましょう。

1 「不登校」の子どもたちは、学習の遅れを心配している

 例えば学校復帰しても学力不足を心配して休みやすい

不登校の支援組織である適応教室に通ってきている中学3年生のAくんは、通所始めた2年生の3学期ころは一人で昼食を食べゲームをしていましたが、今ではここで友人となった子たちを誘って、運動場(小さいですが)でサッカーをやるようになってきました。少しずつ、心の栄養が補充されてきたように思われます。そこで、本人・保護者・学校と話し合い、学校復帰へ向けての計画を考えることとなりました。保護者の方は復帰の日を心待ちにされ、学校の先生方からも「学校行事の境目になるところが戻りやすいですよね」等と、計画が具体的になってきました。ところが、学校復帰という言葉が出た直後は明るかったAくんの表情がこの頃は優れません。話しかけてもボッーとしています。そこで、「このごろ何か心配なことがあるの」と尋ねると「べつに」と言いますが、友人の話では「学校へ戻ることが心配」と言っているようです。そこで、相談室で落ち着いて「このごろ、つまらなさそうな無顔しているけど、学校へもどることで何か心配なことがあるの?ここへ来たときに言っていた、嫌なことを言うBくんと会うことが心配?」と尋ねると、「そんなことはどうだっていい。俺、そんなこと言っていましたか?そんなことよりも、絶対に授業についていけないって。俺がここにいる間に、みんなは勉強してたんだから‥授業中に当たって、こたえられなかったらどうするの」とポツポツと話し始めました。通所が始まった頃には、「嫌がらせしてくる最悪なヤツ」といつも悪口を言っていたことなんて、どこかぺ飛んでいき、話題の中身はもっぱら「授業につい行けるか」「学力不足」「入試があるのに‥」という話ばかりでした。

いかがでしょうか。

不登校の子が、こんなに学習・学力を不安に思っているのには驚きますが、でも思春期の真っただ中の子どもにとっては、「授業中に

当たって、答えられずにもじもじする姿」というのは、とても恥ずかしいことなのでしょう。

プライドが高いAくんならば、なおさらでしょう。

その気持ちは分かります。

でも、せっかくの「学校復帰」というチャンス・タイミングを生かしたいなぁとも思います。

 

そこで、以下のような取り組みをしてみました。

〇 学校の先生に来所してもらい、生徒・先生・適応教室の担当者で、話し合いました。

 生徒が不安を感じる状況を一つ一つ取り上げ、「○○の場合には△△する」といったように、具体的なハウツーを考えました。

 このことについては、担任の先生ばかりでなく、教科担任の先生にも情報を共有していただくことで合意ができました。

 とりわけ、他の生徒たちの目を意識しているので、担任の先生から、学級の生徒全員に、「今までお休みしていたAくんが、来週か 

 ら教室へ帰ってくる。3年生というこれから大切な時を、みんなと一緒に過ごすということは、とてもうれしいと思う。ただ、Aく

 んは今までずっと休んでいたので、みんなと同じように行動できない場合もあると思う。そんな時に、えっーとかって非難するので

 はなく、ぜひ協力してあげてほしい」といった話を事前に、しておきたいです。

〇 次は、生徒自身についての働きかけです。

 学級にAくんを受け入れる温かな雰囲気を、醸成することは大切ですが、Aくん自身の成長を助けていきたいとも考えます。ずっと

 学校を休んでいたのですから、みんなと同じペースで授業を受けられないのは、確かにその通りと思います。しかし、そこで「しか

 たない」で終わってしまう場合には、再び不登校となり、適応教室へ戻ってくる確率が高いです。せっかく、生徒自身も保護者も学

 校も願ったことですから、なんとか学校生活を定着させたい。そこで、例えば(生徒自身が納得したならば)授業中に、現在の学習

 内容よりも前に戻って(学校を休んでいた間の既習内容)、授業中に一人だけ学習するという方法もあります。とりわけ、Aくんは

 3年生なので受験を考えて、このような方法も生徒自身ばかりでなく、周囲にも受け入れられやすいものです。

 

不登校をその表面上の事象ばかりでなく、関係した子どもたち(大人も含めて)の言動や気持ちも含めて考えることの大切さを、今

も分かっていただけたのではないかと思います。

次回は、みなさんが心配されている「ひきこもり」について考えていきます。

よろしくお付き合いください。

 

こうした身近な問題をもとに、参加者全員で話し合ったり、ロールプレイでスキの練習をしたりする会【コミュニケーションカフ

ェ】を開いています。

リアルでもOnlineでも開催しています。

詳しくは、このHPのトピックスをご覧ください。