不登校について考えましょう ⑨周囲にいる大人が気を付けたいこと ❷ひきこもり

(昨年の今頃、東京で観たムーミン展です。ムーミンはただ可愛いではなく、さすがに北欧、思想が深いですね)
8月になり、夏はますます苛酷になっていくようです。
地震被災の熊本の方にも、体調に気を付けていただきたいです。
現在『不登校』について考えています。
第1回は、 「様子を見ましょう」とはどういうこと?
第2回は、 気持ちは、言葉にしなければ伝わらない
第3回は、 子どもや保護者と世間話ができる関係づくり
第4回は、 たくさんの子どもたちが、学校へ行っていないようだけど、どうなってるの?
第5回は、 不登校の理由は、不登校児童生徒自身でも分からない (不登校の特徴①)
第6回は、 不登校の理由は千差万別・十人十色 (不登校の特徴②) について考えきました。
第7回は、 不登校の子どもたちの悩み について考えました。
そんな悩みを抱えている彼等のために、私たち周囲の大人が気を付けたいことついて、前回から考えています。
第8回は、 「不登校」の子どもたちは、学習の遅れを心配している について考えました。
そして今回は
第9回は、 「ひきこもり」になるのでは?という不安 について考えます。
ひきこもり等につながりやすい
例えば着替えや入浴をしない等生活習慣が崩れる
常勤のスクールカウンセラーとして、中学校に勤務していた頃、毎年開催される「学校保健委員会(内科・歯科・耳鼻科・眼科の校医さんたちと、PTAの役員さん。そして管理職というメンバーで、生徒たちの健康状態などについて話し合う)」で、子どもたちのこころの健康について、お話しました。出席者のみなさんからは、「わが校の不登校の状況はどうですか?」「どんなことが影響するのですか?」等と、さまざまな質問をいただき、「不登校」についての関心の高さを、改めて痛感しました。会が終了した後、PTAの役員として参加されていた、一人のお父さんが「ちょっと、教えていただきたいのですが‥いいですか?」と話しかけられてきたので、「どうぞ」とお話を聴くことになりました。お父さんは、長女が中2なので、PTAの学年委員として出席していました。「実は。今20才になる長男のことです。この中学校にいた頃から、よく休んでいたので、卒業後には通信制の高校へ進学しましたが、そこも休みがちになり‥今は家でボッーとしています。本人もこれではいけないと思っているようですが‥何とか、方法はないでしょうか?」という相談でした。
いかがでしょうか。
わが子が不登校になった時に、多くの保護者や周囲の方が不安に思われることが、ここにありますね。
すなわち、「不登校がいつ終わるのか」という先の見通しを持てないということです。
「1日2日学校を休んだってべつにいい。1週間だってかまわない。1か月だってがまんできる。先の見通しがあれば…」と、みなさ
んが思われるのではないでしょうか。
そこで、以下のような提案をしました。
〇 そこで、お父さんには「生活リズムを刻みましょう」と提案しました。
「ひきこもり」よくにあることですが、一日中同じスウェットで過ごし、そのまま寝るという生活習慣を改めさせたいと考えまし
た。そこで、「スウェットで構わないから2種類用意して、起きたら着替えるという癖をつけましょう」と提案しました。保護者の
方自身も、初めの間は「着替えなさい」と言われるものの、「どうせ一日中家にいるから」と思い、ついダラダラとした生活を許し
てしまっていることが多いと思います。そして、それとともに「生活リズムを刻む」ために、ご飯を食べる・顔を洗う・歯磨きをす
る・お風呂に入る‥といった、彼が幼かったころにしつけたことを。もう一度しつけましょうと提案しました。
もちろん、初めからうまくいきません。
人間誰しも、ラクな法がいいに決まっています。
面倒なこと、さらに言うならば彼が今まで身に付けてきた生活様式から脱却するのですから、ハードルが高いに決まっています。
でも、やりましょう。
よく「外的動機付けではだめ。本人の気持ちを大切にした内的動機付けでなければ‥」と言われる方がいます。
もちろん、理想はその通りです。
しかし、今までそうやってもダメだったわけです。
幸い、今彼は「本人もこれではいけないと思っている」のてすから、その気持ちを生かして、バックアップしていきましょう。
小さな子ならば、シールを貼るでもいいですし、大きな彼ならば「欲しいもの」を買い与えるのも一つの方法です。
〇 もし、上の段階が幸いにもクリアできたならば、家庭内で何か役割を与えましょう。
小さな子ならば「食器を並べる」でいいですし、彼ならば(大きければ)「電球の交換」「高いところにしまってある食器を出す」
等、何かをやってもらい、「私も○○家の一員」という自分自身のアイデンティティを見つけさせたいと考えます。
それがひいては、「居場所づくり」「自己肯定感の向上」にもつながっていくと考えます。
何回でもトライしましょう。
本人と保護者の根気強さの勝負になってくるかもしれません。
諦めないでください。
〇 上の段階ににってくると、そろそろ本人自身が家庭内にいることに飽きてきます。
そうした時に、彼の場合にお勧めしたのは、「子ども若者サポートセンター」です。
この文を読んでくださっているみなさんは、「行政はいくつまでを若者として定義しているか」をご存じですか?
きっと驚かれると思いますが、実は39才までです。
20才の彼なんて、まだまだ初期若者と言ってもいいかもしれないくらいです。
そこで、そうした施設へ通所してスタッフ等と話すことを通して、「何かやってみたい」という気持が湧いてきたら、最高と考えま
す。
各自治体・市町村でこうした取り組みは行われていますので、いろいろ探してみてください。
いろいろな考え方があるとは思いますが、私は「使えるものは何でも使え」と思います。
(余談ですが、同居していた母親の介護で、使えるものは全て使い切ったと思います。母親の介護保険は元がとれたと思います)
さぁ、こんな提案をしましたが、その後彼はどうなったでしょうか。
お父さんが報告に来てくださいました。
時間はかかりましたが、かれは今「子ども若者サポートセンター」に、週に2回通っているそうです。
そこでは、「子ども若者サポートセンター」のチラシや印刷物などの作成のお手伝いをしているそうです。
このままうまくいけば、再来月くらいからは、サポートセンターが提携しているところで、週に2日アルバイトをすることになってい
るそうです。
「あの子が働くなんて‥」とお父さんは、感激されていました。
全てのケースがうまくいくとは限りません。
ですが、もし現在困っていらっしゃる方は、「家庭内で何とかしよう」と思わず、いろいろな方・組織に声をかけてみてください。
まずは、一歩を踏み出してみましょう。
不登校をその表面上の事象ばかりでなく、関係した子どもたち(大人も含めて)の言動や気持ちも含めて考えることの大切さを、今回
も分かっていただけたのではないかと思います。
次回は、ついつい子どもたちが陥りやすい「ネガティブ思考」をどうするかについて考えていきます。
よろしくお付き合いください。
こうした身近な問題をもとに、参加者全員で話し合ったり、ロールプレイでスキルの練習をしたりする会【コミュニケーションカフ
ェ】を開いています。

リアルでもOnlineでも開催しています。
次回のリアルは、9月19日に行います。
詳しくは、このHPのトピックスをご覧ください。
