未来の教員を目指す学生と関わって3部⑮

この連載の第1シリーズとして、発達障害を中心とした【学級・学校に適応することが難しい子どもとの係り】について、また第2シリ

ーズとして【学力差がある集団への係り】について、教員を目指す彼らが抱えている不安について考えてきました。

今シリーズでは、【一見仲良さそうに見えるなれあい集団内部への係り】について、考えていきます。

 

子どもたちは、活発に楽しそうににぎやかに活動しています。

しかし、このグループ内では、外から伺えられない『人間関係のトラブル』が生じていることがよくあります。

 

そうしたトラブルを防ぐために、『自分たちのことを自分たちで考え、話し合い、決める』という一連のルーティンを習慣化することが

大切と考えます。普段の『理科の実験の班』等での少人数編成に手間をかけずに、大きな行事の時だけ子どもたちに考えさせても、今ま

でそうした【力】が育っていなければ、不毛の話し合いになると考えます。

 

では、次にそうした【力】を育てるための具体的な手立てについて考えましょう。

①学級の出来事を自分事として、とらえさせる

〇『あなたはどうするの?』は、魔法の言葉 (12/21紹介)

どんな良い考えでも言いっぱなしにせず、『○○のために、あなたはどうするの?』と、一人一人に考えさせ(当事者意識を持たせる)

ましょう。

〇スモールステップで乗り切ろう(12/22紹介)

そして、小さなステップに到達できたならば、やはりその努力に見合う評価を与えましょう。

担任としては、最後の完成した作品の評価ばかりではなく、一つずつの段階で、学級全体の前で認め褒めることが大切と思います。

②『話し合い』を生活の一部にする

〇『朝の会』使えませんか?(12/23紹介)

これまで、学級で話し合うということに慣れていない子どもや先生にとっては、確かに『話し合い』のハードルは高いかもしれません。

そこで、そうした活動を学級生活のルーティーンにすることで、ハードルを下げましょう。

〇『チーム内に軽い自己開示』を取り入れてみませんか?(12/25紹介)

【愛情の反対は無関心】という、マザーテレサの有名な言葉があります。

そこで、相手への関心を高めるために、『軽い自己開示』をしてみましょう。

③SDGsを目指す

〇竜頭蛇尾にならないように

今、日本社会のいたるところで、継続可能性(SDGs)が主張されています。

このことは、私たちの活動でも大切なことと思われます。

1回派手な活動をしたけれども、後が続かないということは、学級活動の中でもよく見られることと思います。

以前に例えとして引用した『学級目標』にも同様なことが言えるかと思います。

つくる時には大騒ぎするけれども、目標が決まって掲示したら、そのまま埃をかぶるだけで、修了式にはずすという経験ありませんか?

今回の活動にも、同じ心配があります。

1回大騒ぎして話し合ったけど、その1回で終わり。

その後は、「時間がないから」を理由にして、適当に対応していく。

これでは、今考えている『力』は生徒の身につきません。

そこで、例えばこんな感じはどうでしょうか。

ある1週間です。

月曜日 担任から、「今度、理科の実験のチームをつくるから、どんな方法で決めるとよいか、考えておいてね。目的は、一部の人じゃ

なくて、全員が実験に取り組めるということです。明日の朝から、話し合います。アイデアがある人は、朝の会係班に伝えてください」

火曜日 担任から「朝の会係班さん、何かアイデアがありましたか。一つあったそうです。では朝の会係班さん、お願いします」

朝の会係班が発表する「このアイデアについて、どう思うか。明日、聞きますね」

以下続く

この案で、大切にすることは、1日にかける時間は5分程度ということです。

では、この活動を可能にするために心掛けることは何でしょうか。

 

 

ハピネスでは、こうした身近な問題をもとに、参加者全員で話し合ったり、ロールプレイでスキの練習をしたりする会【コミュニケー

ションカフェ】を開いています。

リアルでもOnlineでも開催しています。

詳しくは、このHPのトピックスをごらんください。