未来の教員を目指す学生と関わって3部⑯

この連載の第1シリーズとして、発達障害を中心とした【学級・学校に適応することが難しい子どもとの係り】について、また第2シリ

ーズとして【学力差がある集団への係り】について、教員を目指す彼らが抱えている不安について考えてきました。

今シリーズでは、【一見仲良さそうに見えるなれあい集団内部への係り】について、考えていきます。

 

子どもたちは、活発に楽しそうににぎやかに活動しています。

しかし、このグループ内では、外から伺えられない『人間関係のトラブル』が生じていることがよくあります。

 

そうしたトラブルを防ぐために、『自分たちのことを自分たちで考え、話し合い、決める』という一連のルーティンを習慣化することが

大切と考えます。普段の『理科の実験の班』等での少人数編成に手間をかけずに、大きな行事の時だけ子どもたちに考えさせても、今ま

でそうした【力】が育っていなければ、不毛の話し合いになると考えます。

 

では、次にそうした【力】を育てるための具体的な手立てについて考えましょう。

①学級の出来事を自分事として、とらえさせる

〇『あなたはどうするの?』は、魔法の言葉 (12/21紹介)

どんな良い考えでも言いっぱなしにせず、『○○のために、あなたはどうするの?』と、一人一人に考えさせ(当事者意識を持たせる)

ましょう。

〇スモールステップで乗り切ろう(12/22紹介)

そして、小さなステップに到達できたならば、やはりその努力に見合う評価を与えましょう。

担任としては、最後の完成した作品の評価ばかりではなく、一つずつの段階で、学級全体の前で認め褒めることが大切と思います。

②『話し合い』を生活の一部にする

〇『朝の会』使えませんか?(12/23紹介)

これまで、学級で話し合うということに慣れていない子どもや先生にとっては、確かに『話し合い』のハードルは高いかもしれません。

そこで、そうした活動を学級生活のルーティーンにすることで、ハードルを下げましょう。

〇『チーム内に軽い自己開示』を取り入れてみませんか?(12/25紹介)

【愛情の反対は無関心】という、マザーテレサの有名な言葉があります。

そこで、相手への関心を高めるために、『軽い自己開示』をしてみましょう。

③SDGsを目指す

〇竜頭蛇尾にならないように(12/26紹介)

1回派手な活動をしたけれども、後が続かないということは、学級活動においてもよく見られます。

しかし、こうした活動では『力』は生徒の身につきません。

1回の派手な活動よりも、毎日5分程度の活動を目指したいものです。

〇活動のルーティーン化を図る

SDGs(継続可能)な活動を目指すための方策として、活動の定例化があります。

私たちも、新しいことを実行する際に、そのことの重要性を理解していても、「面倒だなあ」「やりたくないなあ」等と思うことありま

せんか?

それは、当たり前のことです。

なぜならば、『慣れていない』ので、超えるべきハードルが高いのです。

では、ハードルを下げるためには、どうすればいいのでしょうか。

それは、『慣れ』と考えます。

その活動が、日常生活の一部となってしまえば、取り組むわずらわしさや面倒くささも減少するというものです。

そこで、学級生活の日常の中で、話し合う場面を定例化して、その取り組みの形式のひな型を確立してしまいましょう。

毎日○○時○○分になったら、◇◇さんが前へ出てきて、すると学級全員が机の位置を変えて…と、ルーティーンを確立しましょう。

よく決まったとおりに物事を行うと、『マンネリ化』と批判されますが、あえてその『マンネリ化』を目指しましょう。

学級内での話し合いが『マンネリ化』するほどになったら、それは素晴らしいことと思います。

ぜひ、そのためのルーティーンを学級全体で共有しましょう。

 

 

 

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詳しくは、このHPのトピックスをごらんください。