子どもたちは話したがっている 27 子ども(人)の心の揺れ動きに寄り添おう

遅くなりました。
スクールカウンセラーとして勤務している学校の入学式の写真です。
『スクールカウンセラーとして勤務していると、保護者や先生から「子どもたちが話さない」という相談をよく受けます。
そんな『話さない(と思われている)子どもたち』ですが、実は『自分の気持ちを分かって欲しい』と絶えず思っています。
そのため、子どもたちは『自分の気持ちを分かってくれそうな大人』を絶えず求めています。
そんな『気持ちを分かってくれそうな大人』になるための第一歩は、子どもの話をきちんと聴くこと(良い聴き手になる)ではないかと考えます。
しかし、実際に子どもたちに寄り添って話を聴いていると、いろいろな悩みが生じてきます。
そんな思いから、今まで以下のことについて、考えてきました。(詳しくは、以前のブログをご覧ください)
第1部 子どもたちが「話さない」理由及び解決の提案について考えました。
第2部 具体的な事例をもとに考えました。
事例1 「うーん、訊き方下手!『大丈夫か?』では、誰も答えないよ」
事例2 「先生、あなたの進路ではなく私の進路です」
事例3 「先生の偏見で、私を見ないでください」
事例4 「先生、私も見て!」
事例5 「約束って‥それ、俺の約束じゃねえし‥」
事例6 「伝えたいのは何?力関係?それとも気持ち?」
第3部 「聴く」ときに心掛けたいことについて<相手との会話で気を付ける具体的な考え方やスキル>
事例1 話に来なくなった、中学1年Aさんの場合
事例2 「私の気持ちをわかって」って?
事例3 「場面緘黙」の小学3年生と仲良くなって
事例4 「ヤンキー生徒」の万引き騒動で気づいたこと
事例5 「場面緘黙」の彼の表情が読み取れるようになってきて‥
事例6 自分の思い込みで、子どもの話を聞いていない?
スキル8 「自分の思い込みで、子どもの話を判断しない」
事例7 子どもだって、気持ちは変わって行くもの (ここから、新しい話題です)
○○小学校6年生のAくんは、2年生までは普通に登校していましたが、9月の修学旅行から登校できなくなっていました。「運動会を見学したい」という要望があり、他の児童と話す予定があり、出勤していた私(SC)と、2階の教室から運動場を見て、保護者・Aくん・私の3人でいろいろ話すことができました。そこで、「よかったら、1週間に1回決まった時間に登校して、いっしょに話さない?」と提案したところ、Aくんが予想外に乗り気だったので、早速次の水曜日から話すことになりました。もちろんすべてがうまくいくわけはなく、来ていない時に電話すると、「今日はちょっと‥」ということでしたので、「分かった。じゃ、来週ね」と言い、電話をきるのですが、翌週は何とか登校することができ、細々ながら継続できていました。そして、年末らAくん家が転居することとなりました。兄が中学3年生、Aくんが小学6年生なので、この時期を待っていたようです。そこで、週に1回の相談をどうするかということになり、転居先は遠方なので、兄とAくんを保護者が送迎することになりました。新年となり、なかなか毎週は難しいものの、Aくんとの相談は続きました。小学校では、2月半ばから卒業式の練習が始まります。Aくんの両親や担任の先生、教頭先生方の話し合いでは「何とかして、体育館の卒業式の映像を観ながら、応接室で卒業証書を受け取りたい」ということになっていました。つまり、[Aくんに卒業式的なものを体験させたい]ということでした。おそらく、Aくんの日常の様子から、他の子たちと一緒に式に出るということは、「ムリ」と関係する人すべてが考えていたことと思います。そのまま、事態は進んでいったのですが、卒業式の2週前に私が「で、どうするの?私は卒業式にでるけど、Aくんはどうするの?応接室で一人でやる?」と、尋ねてみたところ、Aくんは少し考えたようですが「卒業式に出る」と言いました。そこで、そのことを先生方にお伝えしたところ、「ぜひ出よう」となり、急遽卒業式での動きや「中学校になったら○○」と話す子との練習も行いました。そして、卒業式当日Aくんは、ちょっと涙ぐみながら卒業していきました。
長文になり、失礼しました。
いかが、思われましたか。
ここで、考えたいことは2点です。
その1 Aくんは、どうして「卒業式に出る」きもちになったのか
文中で、2月中旬から卒業式の練習が始まると記述しましたが、その合間にAくんと私が話している相談室に、Aくんん゛会いたがっている友人2,3人に来てもらいました。
そこで、「今何やってきたの?」「卒業式のれんしゅうだよ」といった会話もありました。
そして、Aくんが転居のため,違う中学へ通うことになっても、「携帯で連絡するからいいよね」といった会話も耳にしました。
しかし、そうは言うもののAくんは寂しかったと思います。
そこで、「どうして式に出る気になったの?」と尋ねたところ、「もうみんなには会えないから」という答えが返ってきました。
もしかすると、転居がなければ、みんなと違う中学へいかなければ、Aくんは卒業式に出なかったかもしれません。
Aくんの心の動きとタイミングが、大きな要素だったと考えさせられました。
私たち大人でも、こうした親しい人との別れになると、心が動くと思います。
子どもならば、なおさらでしょう。
揺れ動く子どもの心に寄り添うことの大切さに、改めて気づかされました。
その2 どうして先生や保護者は、卒業式にリアルに出ないと思ったのか
「Aくんも卒業式に体育館で参加する」と、先生方や保護者の方にお話したところ、とても驚かれました。
「体育館は無理だろうから、別室で参加させたい」「学校へ来させたい。別室で参加できたら素晴らしい」と、みなさんが考えていたからです。
無理もありません。
1週間のうち、SCと話す1時間しか登校していない、できなかったのですから。
しかし、先生方や保護者など周囲の大人が分からなかったことがあります。
それが、卒業を前にして。転校を前にしてのAくんの心の揺らぎでした。
大人たちは、今までのじぶんたちがもっていた知識や体験を、Aくん自身の心の動きよりも重要視していたわけです。
多くの子を前にして、いつも一人一人の子にめを向けるね、寄り添うことは確かに大変です。
しかし、自分自身の体験よりも、子を主体的に捉えていくことが肝要と考えます。
難しいですね、
人の気持ちは、刻々と変わるものと思うからです。
でも、それだけにしっかりと一人一人の子どもと寄り添っていきたいものです。
スキル 「子どもの心の揺れ動きに寄り添う」
こうした身近な問題をもとに、参加者全員で話し合ったり、ロールプレイでスキルの練習をしたりする会【コミュニケーションカフェ】を開いています。
リアルでもOnlineでも開催しています。
詳しくは、このHPのトピックスをご覧ください。
こういうことって、ありますよね。
「この子のためにプラスになる」と思いった上での言動が、その子の気持ちと裏腹になってしまう‥
大人の世界でもあることではないでしょうか。
スキル8 「自分の思い込みで、子どもの話を判断しない」
こうした身近な問題をもとに、参加者全員で話し合ったり、ロールプレイでスキルの練習をしたりする会【コミュニケーションカフェ】を開いています。
リアルでもOnlineでも開催しています。
詳しくは、このHPのトピックスをご覧ください。

