未来の教員を目指す学生と関わって⑧

現在の学校現場、とりわけ公立学校がとても多様化していることについてお話しています。

多様化の状況として、話す言語が違う子ども、不登校傾向の子どもや、発達障害傾向のある子どもなど本当にさまざまです。

対応に際して、配慮すべき点はいろいろありますが、彼らと教師が一対一で対応しているときには、さして問題とならないことが、学級

全体の中での対応となると、難しい問題が生じてくることがあります。

例えば、【多動傾向】のある子どもが、授業中に立ち歩いたとしましょう。

その子どもについて、また【発達障害】についての知見がある先生ほど、「【多動傾向】のある子に声かけしても、今はじっとすること

は無理だから、しばらく様子を見よう」と、判断されるかと思います。

一見、【多動傾向】のある子への配慮のように見えますが、ここに大きなトラブル発生の可能性があります。

 

学級にいる他の子どもたちが、どのような反応をするかということです。

これについて、とりわけ対応が難しい『小さな子たち』の場合について考えていきます。

僕が授業中に立ち歩いたら、先生は僕を怒るにの、どうしてあの子の場合には怒らないの?ひいきだ。」等と言う子どもたちについて

です。

ここでは、2つの方法があると考えます。

すなわち、【森と木】両方を見る目が必要となってきます。

①まず、【木】について考えましょう。

すなわち、該当児童への対応です。

今回は、続いて②についてお話します。

②【森】について考えます。

すなわち、学級全体への対応です。

以前のブログでお話したように、学年が上がるにつれて、つまり子どもたちが成長するにしたがって、「こういう子もいるよね」「ま

ぁ、あの子だから」と、良くも悪くも問題視しないようになってきます。

言わば、『人は人。自分は自分』といった考えでしょうか。

(このことの良し悪しについて、ここでは取り上げません)

しかし、小さな人たちには、この考えはありません。

良くも悪くも『みんな一緒』を要求してきます。

そこで、学級活動や道徳の時間を使って、話等をする必要があります。

『人にはそれぞれ異なる個性・特質がある』といった話をしますが、それとともに子どもたちの相互理解を進めるエクササイズをやっ

てみましょう。

構成的グループエンカウンターなどに取り組むことで、【自分と異なる考えや価値観の存在】がいるということの理解を深めます。

そして、その考えを、該当児童の場合にあてはめることで、具現化していきましょう。

◎道徳教材や身近な話題、またそのときに社会全体で話題になっていること等を題材として、【自分と異なる考えや価値観の存在】に子

どもたちが目を向ける取り組みを実践しましょう。

こうした考えを理解することによって、単に【思いやり】【協力】という視点ばかりでなく、私たち大人自体が、全ての子どもの成長を

助けるユニバーサルデザインという考え方にも、視野を広げさせたいと考えます。

このように、①②という二つの取り組みによって、誰に散っても居心地のよい学級と個の成長を図りたいと考えます。

 

 

 

ハピネスでは、こうした身近な問題をもとに、参加者全員で話し合ったり、ロールプレイでスキの練習をしたりする会【コミュニケー

ションカフェ】を開いています。

リアルでもOnlineでも開催しています。

詳しくは、このHPのトピックスをごらんください。