【子どもの心 若者の心 そして‥】10 人と人とのかかわりの深さのレベル 解説その1

前回から、私が大学生に授業をしている中で感じた「ザラッ」とした感じについて、お話しています。(詳しく、以前のブログをご覧ください)

そこで、以下のことについて、考えています。

相手との関係性が深まると、「何でも言える関係」と言いますが、本当でしょうか。

大学生の様子を見ていると、「本当にそうかな?」「親しいからこそ本音が言えなくなっているのでは?」と思うことがしばしばあります。

そこで、こうした関係性についての一つの情報(人と人との関わりの深さにもレベルがある)ことを、前回紹介しました。

みなさん、どう思われましたか?

今回と次回の2回で、このレベルについて解説していきます。

 

        人と人との関わりの深さにもレベルがあるって知っていますか?
                   沈黙が苦痛でないのもバロメーター
第一段階 閉じこもりのレベル
物理的には、隣り合って座っているが、言葉を交わさない(人と関わっていない状態)である。 例:病院の待合室・電車の席 など

解説

これは、簡単に理解できることと思います。どんなに困っていても、地下鉄で偶然隣に座った人に、「私困っていて‥」とは言いませんよね。この状態は、身体は触れ合っていても、心は離れているということで、まだ関わっているとは言えません。

 

第二段階 社交儀礼のレベル
交わりの浅い人との関わりである。他人への警戒心があり、自分については多くを語らず、挨拶や儀礼的な言葉のやりとり、無難な話題についてだけ話す(表面的な会話)のレベルである。 人と人との関わりは、ここから始まる。

解説

分かりやすい状況としては、職場の転勤・転任が挙げられます。

例えば(想像してみてください)、新しい職場へ赴任したら、「○○さんって、△△から変わって来られたのですよね。前のところに、◇◇さんっていらっしゃいましたよね?」「ええ、いらっしゃいましたよ。お知り合いですか?」「同期で、新任の頃よく一緒に飲んでました」「ええ、そうなんですか」…といった会話です。

 

第三段階 世間話のレベル
自分たちの仕事や生活に直接関係のない事柄(芸能ニュースなど)や後で話題にならないような話題について、一見楽しくおしゃべりするが、自分の意見はまだ警戒してあまり話さないレベルである。話題を探すことに気を遣い疲れる。

解説

分かりやすい状況としては、付き合い始めたばかりのカップルの会話が、考えられます。

例えば(想像してみてください)、初めてのデートで映画を観て、スタバでお茶しています。映画に誘った自分としては、とても面白かったと思っているが、相手は何もそのことを言わない。そこで、「今朝のニュース見た?大谷選手が結婚するんだって」という芸能ニュース等で、自分の気持ちは言わずに、事実を話して、相手の対応を探る‥といった会話。相手との会話を長く続けたいので、話しながらも頭はフル回転で、話題を探しています。

 

第四段階 情報伝達のレベル
自分の仕事や生活に直接関係のある事柄について、情報を伝えたり受け取ったりするレベルである。これによって、私達は新しい事実を知り、視野が広がる。反対や否定されることを怖れて、自分の考えを述べることはためらう。

解説

分かりやすい状況としては、SNSで知り売ったメンバーの「オフ会」へ、初めて参加したときの会話が考えられます。

例えば(想像してみてください)、今までOnline上ではいろいろ情報交換していますが、リアルに初めて会いました。同じもの・ことを好きなので、一見会話が弾むし、いろいろ情報を得ることができて楽しく、充実感も感じている。しかし、その嬉しさで「○○ってちょっとね」と言ったら、相手に嫌な顔をされたので、「あっ、まずい。ちょっとこの話はやめておこう」と、自分の気持ちを少し押さえています。

 

いかがですか?

次回、この続きをお話します。

 

こうした身近な問題をもとに、参加者全員で話し合ったり、ロールプレイでスキの練習をしたりする会【コミュニケーションカフェ】を開いて

ます。

リアルでもOnlineでも開催しています。

詳しくは、このHPのトピックスをご覧ください。