【愛情が重い】コミュニケーションが苦手な人との上手な関わり方【不登校に目を向けて】⑭

今月は、【不登校】について、みなさんと一緒に考えています。

プロローグ

【不登校】についての知識の一例(以下、今回までの内容については、過去のブログをご覧ください)

本論

1 不登校の考え方の変遷

2 文科省による不登校の定義

3 不登校児童生徒数の推移

4 【不登校】の理由

① 学校生活に起因

② 家庭生活に起因

③ 本人の気質に起因

5 学校生活に起因の具体的なケースについて

①被害者のケア

②加害者の指導

③観衆の指導

④傍観者の指導

6 家庭生活に起因の具体的なケースについて

事例① 嫁姑のちょっとした考えの相違から不登校?

この事例からは、『家庭が居場所であることの必要性』を、私自身も学ぶことになりました。

 

事例② 『韓流』は【不登校】に効く?

あなたは、不登校の子どもたちが通所する『適応教室』相談員です。(想像してみてください)

小学4年生男子の母親の相談を担当しています。

子どもは、なかなか他の子どもと打ち解けることができず、昼食も大人の相談員とだけ摂っているので、愛情深い母親はとても心配していました。

そんなある日、あなたは相談中に母親から『韓流』について詳しく話を聞くようになり、次第に『韓流』の話が長くなり、それまで子どもの話題一辺

倒から、相談が変わり始めました。

その頃から、その子が周囲の子どもたちと一緒にバドミントンをしている姿を見かけるようになりました。

その後、しばらくたって、その子は学校へ戻っていきました。

 

さぁ、どのように考えられましたか?

おそらく、多くの方が、『母親の深い(重い)愛情』身動きでができなくなっている子どもの姿を、想像されたのではないでしょうか?

そうですね。

お母さんは、最初のインテークの時から、「そのとき、お母さんはどうされたのですか?」と、お母さん自身のことを尋ねても、「あの子が○○と言

って‥」といった具合に、その話しぶりから、全てのことがお子さん中心であるということが、よく分かりました。

お母さんが、お子さんのことを大切に思い、深い愛情をかけられていることは、間違っていないと思います。

ただ、子どもも少しずつ成長していきます。

小学校の低学年ならば、大好きなママが「いい子だね。○○ちゃんは偉いね」と褒めてくれれば、いわゆる『万能感』がバリバリとなり、この世に怖

いものなしとなることでしょう

しかし、4年生ともなると、見えてくるものが少しずつ変わってきます。

以前は「5回もリフティングが続いたから、僕って天才!サッカー選手になれるじゃん」と豪語していた子どもが、「サッカースクールの隣のクラス

の○○ちゃんは、この前もゴール決めてた」と、世の中が少し見えてきます。

すると、大好きなママが「いい子だね。○○ちゃんは偉いね」と褒めてくれても、「うっせぇなあ」と返す場面も出てきます。

ママは驚き、さらに子どもに愛情をかけることになります。

子どもは、学校でも家庭でも息がつけなくなってしまい、苦しくなっていたのではないかと考えます。

 

ところが、母親に『韓流』という、子どもとは別に愛情のかけどころが見つかりました。

母親が、そちらに愛情をかければ、その分彼への愛情が減っていくわけです。

彼は、息をつくことができるようになってきました。

そうすると、同じ適応教室の子どもたちが心の中に入ってきて、一緒に昼ごはんゃ遊びに誘われた時に、「いいよ」と受け入れることができるように

ってきたのではないでしょうか。

今までいっぱいいっぱいだった彼の心の中に、他者を受け入れる余裕・隙間が生まれてきたのではないかと考えます。

時間はかかりましたが、その後彼は学校へ登校できるようになりました。

母親も、子どもとの適切な距離を探りつつあります。

お母さんとは「目は離さないで、手は少しずつ放していったらどうでしょうか」と、話し合いました。

 

今回は『韓流』でしたが、何にしろお母さんの心のなかで、子どもと上手な距離を取るための、手段を見つけていただきたいなあと考えています。

みなさんは、いかがでしょうか?

 

次回は、③ 本人の気質に起因 についてお話します。

 

こうした身近な問題をもとに、参加者全員で話し合ったり、ロールプレイでスキの練習をしたりする会【コミュニケーションカフェ】を開いていま

す。

リアルでもOnlineでも開催しています。

詳しくは、このHPのトピックスをご覧ください。