友だちって、数?

彼女(小学校高学年女子)にとっては、友だちは絶対の存在であり、クラスの中でどのグループにも所属していない等といった状況だけは避けたい。そこで、「ボッチになるくらいならば、奴隷でいいの」という選択をしてしまうわけである。

もちろん、彼女の生き方は彼女自身が決めることであり、周囲がとやかく言うことではないだろう。しかし、大人びた言葉遣いをするものの、体験の乏しさから世界が狭い彼女に、さまざまな視点や情報を与えることは、周囲の大人がやってもいいことではないかと思う。

彼女の話を聴き終わったところで、逆に「友だちってどうして必要なの?」と質問すると、彼女は「今までそんな変な質問をされたことない」といった驚いた表情をしながらも、熱く語ってくれた。「学校生活が楽しい」「休憩時間にもいろいろ話すことができる」「寂しくない」等と、思いを話してくれた。そこで、「もちろん、友だちがいるってことは、悪いこととは思わないよ。でも、ボッチってそんなに困るの?」と尋ねるとと、その答えは次第に(周囲の目)を意識したものになっていった。すなわち「あの子ボッチじゃない?」「かわいそうだね」等と言われてしまうと言うようになってきた。

せっかく相談に来てくれた彼女を困らせるつもりはないので、視点を変えて「先輩たちの話をするね」と言い、多くの友人と仲良く生活していた先輩、友だちは少なかったけれども有意義な学校生活をおくっていた先輩など、さまざまな様子を紹介した。

彼女は、興味深そうに聴いていたが、友だちは少ないが有意義な学校生活をおくっていた先輩の話では「うっそー」と、信じられない様子であった。そこで、「この話続ける?」と尋ねると、「また来る」と希望したので、次回この話を続けることにした。

(次回へ続きます)