ちょっと【人付き合いってどうして疲れるの?】  コミュニケーションカフェからの抜粋3-②

緊急事態宣言が続き、なかなか友人知人と会い、親しく語り合う場面が少なくなっているのではないかと思います。

また、『【人付き合い】がリアルじゃなくてONlineになった』ことで、『さらに【人付き合い】が難しくなってきた』と思われている方

もいるようです。そこで『ちょっとコミュニケーションカフェから』シリーズの第三弾として、【人付き合いの難しさ】について考え

ることにしました。

【人付き合いはなぜ疲れるの?】

以前、スクールカウンセラーとして勤務していたときに、事例1【友人関係の悩み】の相談に来た生徒がいました。

事例1 友だちには本音を言ってはいけないの?(昨日のブログで紹介済み)

「私は、友人をつくることが苦手です。小学生のときも、あまり友人がいませんでした。中学生になってからもいなかったので、野外学習の班をつくるときは休もうかと思いました。でも、○○さんが声かけてくれて、もう一人の◇◇さんも感じ良くて、野外学習は楽しかったです。このときだけかなと思っていたら、その後も誘ってくれたりして、この前一緒にイオンに行きました。でも、このごろちょっと‥3人で遊びに行った後、◇◇さんが塾へ行くと先に帰ったら、○○さんが『◇◇さんのことどう思う?』と聞いてきて‥『いい人じゃない?』と言ったら、『フーン』と言ってなんだか嫌な感じになりました。だんだん○○さんと一緒にいることが嫌なときもあるけど、このグループをやめたらまた【ボッチ】になるし‥友だちに本当のことを言ってはいけないの?」

みなさん、いかが思われましたか?

この時期の女子の人間関係は、いわゆる【チャム】という形をとり、自分たちだけの世界という閉鎖的な関係をつくることが多いです。そうすると、一つのグループを出たときに、他のグループに入ることは難しく、そのため『ボッチになるなら奴隷でいい』という選択をする生徒も見られます。このグループも○○さんをリーダーとしたつながりですが、相談者と○○さんの間には上下関係が見られますね。そうした関係の中で、相談者が『息苦しさ』を感じていることは、当たり前とも言えると思います。今回は、○○さんは相談者に「◇◇さんのことどう思う?」と尋ねていますが、きっと相談者がいないところで「あの子(相談者)のことどう思う?」と、◇◇さんに尋ねていることでしょう。そして、この質問で○○さんが要求している答は『ちょっと、むかつくね』だと想像します。ですから相談者が「いい人じゃない?」と答えたときに、『フーン』という反応、すなわち『その答えは気に入らない』だったのだと思います。こうした関係を、相談者が希望するように改善することは難しいと思います。そこで、アドバイスとしては

1 一度◇◇さんと話してみよう。

今のところ、○○さんを頂点とした二等辺三角形のような関係性が想像されるので、底辺の二人の友人関係を大切にしてみることも選択肢の一つとしてとらえたら、どうでしょうか。

2 ○○さんと距離を置いてつきあってみる。

もともと野外学習のチームから生じた関係で、深いつきあいはありません。ですから、誘われて可能なときは付き合い、無理なときは『無理』と断る。それで、関係が浅くなっていったら、仕方ないと思う。

3 積極的に関係を浅くしていく。

絶対に【友人は必要】でしょうか。苦しくなってまで付き合う関係って、友だちでしょうか。それこそ極論ですが【ボッチ上等】という考えもあるのではないでしょうか。

どれを選ぶかは、相談者が決定することです。

しかし、この頃社会全体で【友だち礼賛】の度合いが強すぎるのではないでしょうか?

もちろん、【友だちはいいもの】と思います。

しかし、【苦しい思いをしてまでも、相手に合わせての友だちならば、それは友だちとは言えない】と考えます。

今回の事例は、中学生の女子からの相談でしたが、同様なことは社会の中でも結構あるのではないかと考えます。

みなさん、どう思われますか?

 

ハピネスでは、【コミュニケーションカフェ】という、こうした身近な問題をもとに、参加者全員で話し合ったり、ロールプレイでスキ

の練習をしたりする会を開いています。

リアルでもOnlineでも開催しています。

詳しくは、このHPのトピックスをごらんください。