不登校について考えましょう ⑤不登校の理由は、百人百色

学校はいよいよ夏休みに入りました。写真は、「相談室」前にみなさんの手で作っていただいた七夕の飾りです。
さて、現在『不登校』について考えています。
第1回は、 「様子を見ましょう」とはどういうこと?
第2回は、 気持ちは、言葉にしなければ伝わらない
第3回は、 子どもや保護者と世間話ができる関係づくり
第4回は、 たくさんの子どもたちが、学校へ行っていないようだけど、どうなってるの?
第5回は、 不登校の理由は、不登校児童生徒自身でも分からない (不登校の特徴①)
でした。
そして、今回は前回の(不登校の特徴①)に引き続き、(不登校の特徴②)「不登校の理由は千差万別・十人十色」について考えてい
きます。
私は、教員であったときに「子ども適応相談センターの指導主事(相談部長)」として、3年間働きました。
それまで、子どもの心情について大した学習もしてこなかった身としては、赴任当初に毎日行われた研修が大変でした。
さまざまな知識・知見やスキルの学習結果が、頭からあふれ出しました。
そんな中で、新しい発見も多々ありました。
そのうちの大きな一つが、「不登校の原因・理由は子ども一人一人によって異なる」ということです。
みなさんは、どう思わますか?
一般的に、メディアでは「同じクラスの子から、自分の机の上に花を飾られて、お葬式のようにされた」、「クラスでドッヂボールを
したけど、自分だけボールが回って来なかった」、「みんなで遊びに行く予定だったが、自分だけ教えてもらえなかった」、「サッカ
ーで自分が失敗したら、みんなからひどいことを言われた」等といった、学級や仲間のなかでのいじめが、不登校の原因となっている
と言われています。
もちろん、それはあります。
しかし、私が所属している子ども適応相談センターへの通所している不登校の子どもたちの理由は、そればかりではないというこ
と、さらに言うならば、100人不登校の子どもがいたら、その理由は100とおりであるということを毎日の相談活動から、学びまし
た。
具体的に、考えてみましょう。
例えば、次の事例について、みなさんは何が原因であると考えられますか?
Aちゃんは、ものや人の好き嫌いが激しくて、クラスの子どもたちと、よくトラブルを起こしてしまい、そうするとしばらく学校を休みます。
ある日、昼の休憩時間に、Aちゃんは運動場で、ちょっと変わった虫を発見しました。もともと虫が大好きなAちゃんは、その場から動かなくなりました。
午後の授業が始まるチャイムがなったので、担任の先生がAちゃんの近くへ行き、「教室へ行こう」と何度も誘いますが、なかなかAちゃんは動こうとしません。
しぱらく経ってから、やっと教室へ動きました。
教室へ行くと、クラスは何とも言えない雰囲気になっていました。
担任の先生がいた間は、誰も何も言いませんでしたが、帰りの準備で、先生が不在になったところで、「あーあ、勝手なことができる人はいいなあ」等と、Aちゃんに向かって言う子たちがいました。
そんなことがあった後、Aちゃんは学校をずっと休むようになりました。
さぁ、ここから考えられるAちゃんの不登校の理由は、何だと思われますか?
まず一つとして、「‥先生が不在になったところで、「あーあ、勝手なことができる人はいいなあ」等と、Aちゃんに向かって言う子
たちがいました」が挙げられます。
確かにそうですね。
そうすると、この「ひどいこと」を言った子どもたちが不登校の原因でしょうか。
でも、それだけではないはずです。
もともと、「‥午後の授業が始まるチャイムがなったので、担任の先生がAちゃんの近くへ行き、「教室へ行こう」と何度も誘います
が、なかなかAちゃんは動こうとしません」だったわけですね、
もし、Aちゃんがチャイムと同時に、教室に戻ってきていたら、こうはならなかったはずですね、
では、Aちゃんと、ひどいことを言った子どもたちがいけなかったのでしょうか。
いえ、「‥しぱらく経ってから、やっと教室へ動きました」とあります、
すると、もしも他の方法(例えば、担任の先生は教室へ行き、教頭先生等がAちゃんの対応をしていたら‥)だったら、状況は異なっ
ていたかもしれません。
不登校をその表面上の事象ばかりでなく、関係した子どもたち(大人も含めて)の言動や気持ちも会含めて考えることの大切さを、分
かっていただけたのではないかと思います。
次回も、事例とともに、考えていきます。
よろしくお付き合いください。
こうした身近な問題をもとに、参加者全員で話し合ったり、ロールプレイでスキルの練習をしたりする会【コミュニケーションカフ
ェ】を開いています。

リアルでもOnlineでも開催しています。
詳しくは、このHPのトピックスをご覧ください。

