【まずは世間話から】コミュニケーションが苦手な人との上手な関わり方【不登校に目を向けて】③

今月は、【不登校】について、みなさんと一緒に考えています。

前回は、事前の基礎知識の○✖クイズを基に、以下の事例①について、みなさん自身でも考えてみてくださいとお願いしました。

事例①

あなたは、○○中学校1年5組の担任です。(と、想像してみてください)

1学期は、誰も休まずに元気に登校していましたが、夏休み明けから休む生徒が出てきました。

とりわけAくんは欠席が増えてきました。

本人は登校すれば元気で、友人とも仲良くしています。

本人に「何か悩みがあるの?」と話しかけても、「大丈夫です」と言います。

お母さんは心配して、「無理にでも引っ張ってきた方がいいでしょうか?」と尋ねられます。

さぁ、あなたはどんなアドバイスをしますか?

あなたは、どのようなことをするべきでしょうか?

 

頭の中を整理するヒント

①『誰』にアドバイスしますか?

②『いつ、どのような場面』でアドバイスしますか?

③『誰』がアドバイスしますか?(あなたはもちろんとして)

 

まず、ここで大切にしたいことは『不登校傾向の子どもが100人いれば、その理由は100とおりある』ということです。

ですから、「これが絶対」という【マニュアル】は、当たり前のことですが、ありません。

「何年か前に、こういう傾向の子どもに○○したら、うまくいったから、これからも○○すればいい」は、その方のエピソードなのです。

何年か前の○○ちゃんには通用したけれども、現在の◇◇ちゃんに通用するとかというと、どうでしょうか。

私の不登校の子どもたちと関わってきた経験を振り返ってみると、「むりやり引っ張ってきて、そのまま登校が再開したという子ども」はいました。

だからと言って、それが目の前にいる子どもに適応するかどうかは、不明です。

ここは、まず『不登校傾向の子ども』と話し合ってみましょう。

大切なのは、どのように話すかです。

「大丈夫?」「何か嫌なことあったの?」「いじめられていない」等と尋ねて、果たして答えは返ってくるでしょうか?

『不登校傾向の子ども』が、みなさんを深く信頼していたら、答えは返ってくるかもしれません。

しかし、そうでなかったら?

みなさん自身も想像してみてください。

そんなに信頼していない人から「大丈夫?」と尋ねられたときに、「大丈夫」と答えませんか?

では、どうするか?

まずは「世間話」から始めましょう。

そうして、少しずつ信頼関係を築いていきましょう。

私は、その子の家へ行き、そのことペットの話だけをして帰って来るということをしばらく続けたことがあります。

その子が出てきてくれなかった時には、お母さんとだけ話してきました。

(その場にいなくたってかまいません。隣の部屋で、しっかり聴いていますよ)

「そんなまだるっこしい」と、言われる方もいるでしょう。

でも、考えてみてください。

何年もかかって『不登校傾向の子ども』になったのです。

そんな簡単に変わるわけありませんよね。

そして、忘れてならないのは、保護者への支援です。

悩んで、くるしんでいる(主に)お母さんを支えてあげましょう。

そのために、どのような働きかけをするとよいか。

また、使えるリソースは、全て使いましょう。

スクールカウンセラーさんには、ぜひ関わってもらいましょう。

そのためには、ここでも『信頼関係』が大切になってきますよね。

 

そんなことを、一つずつこれから考えていきましょう。

 

 

こうした身近な問題をもとに、参加者全員で話し合ったり、ロールプレイでスキの練習をしたりする会【コミュニケーションカフェ】を開いていま

す。

リアルでもOnlineでも開催しています。

詳しくは、このHPのトピックスをご覧ください。