自分の気持ちとの上手な付き合い方~自分を分かってもらおう~10
【自分の気持ちとの上手な付き合い方】を考えるきっかけ(5月6月7月例会の共通のテーマです)
みなさんは、「日頃は笑って済ませる、ささいな言動に妙にイラついてしまい、自分で自分の心をもて余したり」と言う体験をされたこ
とがありませんか。
時間の経過とともに、薄らいでいってくれるとよいのですが、時には、そうした思いが心の中に沈殿して、次第に心がネガティブな方向
に傾き、人によっては【孤独】や【生きづらさ】を感じることもあるものです。
そんな状況から、自由な自分を取り戻しましょう。
そして、その時に大切にしたいことは、「ネガティブな考えをしてはいけない!」と頑張りすぎるのではなく、自分のなかに
ある『ポジティブな心』とも『ネガティブな心』とも、上手に付き合っていくことです。
そのための考え・スキルについて、3回のコミュニケーションカフェで、取り組んでいきます。
今回からの第3回目7月例会では、『自分を分かってもらおう』に焦点を当てました。
コミュニケーシスキル(聴く力・話す力)の向上から、考え始めました。
今までに取り組んだこと【あなたは、良い聴き手ですか?】チェック(以前のブログ参照)
① 言葉の応答に限らず、身体全体・心も合わせて、話を聴けているか?
② 相手の話を取ってしまわないか?
③ 相手と、話の波長合わせをする
そして、みなさんがご存じの【傾聴】について、現在取り組んでいます。
第一【話を聴くかまえをつくる】
第ニ【声の大きさ・トーン・話す速さを相手に合わせる】(前回までのブログ参照)
そして、今回は‥
第三【相手の言葉を待つ 「何を言わないか」「自分の言葉で語る」が大切】
私がずっと以前に、中学校教員としてその頃のヤンキー少年少女と、毎日闘っていたお話をしたかと思います。
(学校から脱け出そうとする彼らを追いかけて、私も学校の門を乗り越えていました。トホホの歴史ですが、若かったなぁ。今はそんな
気力も体力もありません‥)
さて、そんな中の一人が校内校外を問わず、いろいろ悪いことをしていることが分かってきました。
そこで、私はその少年と一対一で「相談室」(とは名ばかりの指導室ですが)で向き合い、「君が何をやったかは分かっているのだか
ら、自分で話して」と言うわけです。
(警察ドラマの「ネタは上がっているぞ。白状しろ」みたいですね)
すると、彼は「何だぁ。先生、みんな知ってるのか。あのさぁ、Aくんを○○日に殴った。隣の学校の2年生から金を取った‥」等と、
話し始めます。
実は、いわゆる『自白』の中には、私が知らないこともあり、『えっ、そんなこともやっていたの!』と驚くこともありました。
すると彼が「あれっ、先生知らんかった?」と訊くので、もちろん「そんなこと知ってた」と言いますが‥
一度認めて話し始めると、とても饒舌な彼ですが、一つだけどうしても言わないことがありました。
それは、スーパー(だったと思います)で、お弁当を三つ万引きしたということです。
『どうして隠すのだろう?忘れちゃったのかな』とも思いましたが、いろいろ探っていくうちに(ヤンキーグループの他のメンバーから
の話で)、彼が自分と母親と妹のために、万引きしたということが分かりました。
そこで、それほど彼の家は困窮しているということが分かり、彼の指導の前に、「この家庭と福祉をつながなければ」ということで、慌
ただしくなりました。
もちろん、彼の家庭の事情は早晩分かったことと思いますが、もし、私が全て自分の話で誘導して認めさせていたならば、気づかなかっ
た件かと思いました。
彼には彼のプライドがあり、言いたくないことがあったのです。
この件から、『言わないことに意味がある』という、話を聴くときに大切なことがらを学ぶことができました。
ぜひ、みなさんも頭の、心のどこかへ入れておいてください。
おすすめします。
こうした身近な問題をもとに、参加者全員で話し合ったり、ロールプレイでスキルの練習をしたりする会【コミュニケーションカフェ】
を開いています。
リアルでもOnlineでも開催しています。
詳しくは、このHPのトピックスをご覧ください。