若者のトリセツ【やさしさが止まらない】⑯

『ユーメッセージ』よりも『アイメッージ』で話すことによる効果について、さまざまな機会でお話してきました。

しかし、このごろの大学の授業での様子を見ると、そもそも学生たちは『ユーメッセージ』で話しません。

ほとんど全員が初めから『アイメッセージ』で話しているのです。

それも、かなり卑屈な言い方をしています。

どうして大学生は、事例(以前のブログ参照)の場面でも、相手に謝罪を要求せず、妙に物わかりの良い人を演じているのでしょうか。

 

『相手を傷つけるのでは』という心配もあるでしょうが、それよりも『相手に嫌われて、私自身が傷つく』安が大きいのではないか

思えてなりません。。相手を思う優しさではなく、自分が傷つかないための保険である『優しさ』で、相手と接していると考えます。

どうして、ここまで周囲に対して防衛しないと、付き合うことができないのでしょうか。

 

このことについて、次の2点を考えてみました。

① 自立した個人どうしの対等な関係が築きにくい

② 自分に自信がないので、周囲の影響を受けやすい

(内容については、以前のブログをご参照ください)

 

今回からは、具体的な事例(前回のブログ参照)とともに、その解決について考えていきます。

第一の視点

Aさんの言動は、間違っていたのか?

間違っていたのならば、どのように言えば良かったのか?

私は、こんなふうに考えます

おそらく、多くのみなさんは「Aさんは何も間違っていない」と思われるでしょうが、私も同じ意見です。

今まで、約束を守らない友人を許してきたばかりでなく、そろそろ『就活』という時期を考えて、「(あなたのためだから)約束を守ってね」と言ってあげるなんて、友だち思いの素敵な人ですよね。その忠告を聞かずに、文句を言うなんてひどいよね。

というのが、しばらく前まででしたら、日本の『社会標準』だったと思います。

もちろん、今でもこの『社会標準』が当たり前のこととして、通用する社会はあると思います。

しかし、その反面通用しない社会があることも確かです。

そこで、立場を入れ替えて「約束を守らない友人」の立場で考えてみましょう。

すると‥

「もうっ、そういうところが鼻につくのよね。私だって遅れて悪かったなあと、初めのうちは思っていた。だけど、『ううん、別に構わないよ』と言われるうちに、『そっか、この人気にしないんだ』とついつい、Aさんのことを軽く考えるようになったんだと思う。なのに、今頃になって『約束を守ったほうがいいわ』なんて、上から目線で言われたら、感じ悪くない?それに、『あなたのためよ』的に言われるのって、すごく恩着せがましいって感じる。よっぽど『約束まもってくれないと迷惑だ』って、はっきり言ってくれた方がスッキリする」

と、考えているかもしれません。

日頃、周囲からは『仲良し』と見られていた二人ですが、その実際は異なる方向を見ていたのではないでしょうか。

つまり、Aさんは何も間違っていませんが、「約束を守らない友人」は異なる価値観で生きているということです。

 

では、どうすればより良い関係が築けたのでしょうか。

それは、Aさん自身が『自分の考え』を大切にして、それを相手に伝えるべきだったのではないでしょうか。

ひょっとしたら、Aさんの気持ちの中には、「待たされるのは本当はイヤだけど、それを言うと関係が悪くなるから、まぁ大したことじ

ゃないから、我慢しよう」という思いがあったのではないでしょうか。

やはり、最初から「嫌なことはイヤ」と、ただしここでお伝えしている『アイメッセージ』の考え方で、伝えたら良かったのではないで

しょうか。

「相手がどのように思うか」よりも、「自分がどうしたいか」をきちんと伝えることを大切にしたいですね。

例えば「私、待つことはあまり気にならない。でも、あなたが遅れてくると、何かあったのじゃないかと不安になることが辛い。待ち合

わせの時間を、遅くしたほうがいいんじゃない」と提案するのは、どうでしょうか。

 

よろしければ、ご意見をお聞かせください。

 

 

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