若者のトリセツ【やさしさが止まらない】⑦
『ユーメッセージ』よりも『アイメッセージ』で話すことによる効果について、さまざまな機会でお話してきました。
しかし、このごろの大学の授業での様子を見ると、そもそも学生たちは『ユーメッセージ』で話しません。
ほとんど全員が初めから『アイメッセージ』で話しているのです。
それも、かなり卑屈な言い方をしています。
どうして大学生は、事例(以前のブログ参照)の場面でも、相手に謝罪を要求せず、妙に物わかりの良い人を演じているのでしょうか。
このことを考えるために、さらに別の 事例 女子大学生からの相談(以前のブログ参照) を紹介しました。
この事例をいくつかの視点で考えてみましょう。
① 『いつも遅刻してくる友人』を、受け入れてきたのはなぜですか?
② 『いつも遅刻してくる友人』は、本当に友人ですか?
本当に、彼女と友人関係を続ける必要はあるでしょうか?
このことを基に、学生たちと意見交換をしました。
そのときに、その導入として『思春期女子の付き合い方の傾向ーチャム』について紹介したところ、「とても理解できる」「私もそうだ
った」という意見が多数寄せられました。
(詳細は、思春期のトリセツでお話していますが、思春期女子の小グループの閉鎖した付き合い方を、チャムと言います。『一見仲が良
い』ように見えますが、グループ内の秘密は絶対に保たれているので、『いじめ』等問題が発生したときには、教師が指導しようとして
もなかなか介入しにくいのが現状です)
その中でも、とりわけ問題として取り上げたのが、いびつな3人グループの中で、上位2人の支配下にいる(ように、私たち大人には感
じられる)1人の女子が、グループにいる理由について問われたところ「ボッチになるなら、奴隷でいい」と答えたことです。
この内容についての紹介をした後、学生たち(女子多数)からは、上記の内容を「理解できる」という反応が多数ありました。
そして、「とりわけ、その中心の子を好きだったわけではない。しかし、一人ぼっちと見られるのが嫌だった」「私も高校の初めまで
は、トイレ行くからついてきてといったつきあいをしていた。その関係から抜け出られたのは、大学受験の勉強を始めたころから」「女
子大学生が遅刻してくる友人を許してきたことの根底には、何か言ってひどい人と思われたくないという気持ちがあるからでは?」と、
さまざまな意見がありました。
つまり、思春期の子どもたちの集団であるチャムでの付き合い方も、大学生になってからの付き合い方も『相手にとって耳触りの悪いこ
と』は言おうとしないということです。
なぜならば、『相手を傷つけるのでは』という心配もあるでしょうが、それよりも『相手に嫌われて、私自身が傷つく』のではないかと
不安を抱いているからと考えます。
なぜでしょうか?
相手を信頼していないからではないでしょうか?
ハピネスでは、こうした身近な問題をもとに、参加者全員で話し合ったり、ロールプレイでスキルの練習をしたりする会【コミュニケー
ションカフェ】を開いています。
リアルでもOnlineでも開催しています。
詳しくは、このHPのトピックスをご覧ください。