未来の教員を目指す学生と関わって4部③

この連載の第1シリーズとして、発達障害を中心とした【学級・学校に適応することが難しい子どもとの係り】について、また第2シリ

ーズとして【学力差がある集団への係り】について、第3シリーズでは、【一見仲良さそうに見えるなれあい集団内部への係り】につい

て、教員を目指す彼らが抱えている不安について考えてきました。

 

現在の第4シリーズでは、『教職を目指す学生が考える【理想の教師像】』をスタートとして、教育相談の持ち方などについて考えてい

きます。

さて、『教職を目指す学生が考える【理想の教師像】』アンケートについて、前回ご説明しました。

アンケート【理想の教師像】は以下のとおりです。

1 学習面で、教え方が上手で知識も豊かである
2 悩みを抱えている子どもへ寄り添う気持ちが強い
3 係活動や学級通信など、学級経営に熱心である
4 昼食後などに子どもと遊ぶなど身近な存在である
5 部活動や生徒会の顧問など、活動の中心である
6 問題行動をしてしまう子どもと正面から向き合う
7 緊密に連絡をとり保護者との関係がよく信望もある
8 いつも穏やかであり、子どもとも自然体で付き合う
9 管理職となり、学校地域の教育を改革していく

 

そして、このアンケートからは、なかなか興味深い結果が見えてきました。

1 第1位となったのは、2 悩みを抱えている子どもへ寄り添う気持ちが強い でした。

どうしてでしょうか。

前回お話したように、私が2つの大学で教えている学生たちは、2年生3年生4年生とさまざまです。

そして、どの学年の学生も『 悩みを抱えている子どもへ寄り添う気持ちが強い』を選択したこともお話したとおりです。

しかし、その選択理由というか、選択した気持ちは学年によって、さらには自分が置かれている立場によってさまざまでした。

とりわけ、あと数か月で大学を卒業し、教員としての人生を始める学生にとっては、『 悩みを抱えている子どもへ寄り添う気持ちが

い』教師像は、明日の自分そのものであるとともに、自分自身の不安な気持ちの投影とも考えられます。

彼らの不安な気持ちの要因の一つは、『彼ら自身の優しさ』があるように考えます。

彼らは、とても優しいです。

それだけに、たくさんのストレスの要因となることも、進んで引き受けてしまう傾向が見られます。

 

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