生徒・子どもの心とどう向き合うか3 ハッピー物語74【番外編】より

Ⅰ 【生徒の心とどう向き合うか】にはマニュアルがない

はるか昔、私自身が新米の教師だった頃は、『校内暴力』への対応として『問題行動対応の基本マニュアル』といったものがありまし

た。

例えば、『校内で生徒の喫煙を発見したら…』という、一連の生徒指導のルーティーンが決められていました。

これは指導上の一つの目安として、新米教師にとっては大変ありがたかったです。

しかし、あくまでもルーティーンはルーティーンにすぎません

我々は、毎日生身の人間と接しているわけですから、ルーティーンに収まらないことは日常茶飯事です。

Aくんには通用した指導が、Bくんには通用しないといったことは当然起こります。

AくんとBくんは全く別の人格ですし、育った環境も異なります。

同じ指導に対して、同じ反応をするわけがありません。

そして、さらに難しかったのは、生徒の心が分からない】ということでした。

その当時のいわゆる問題行動をする生徒たちは、学校・教師に対して心を閉ざして】いました。

ですから、仮に指導を受けて謝罪をしたとしても、その気持ちがどこまで真意】なのかどうかは分かりません。

そこには、目の前の生徒を指導しながらも、空虚な気持ちがあったことを覚えています。

あの頃の生徒たちと比べたら、今の生徒たちはとても穏やかであり、あの頃のような【問題行動】は起こりそうもありません。

しかし、そうならば【今の生徒の気持ちは分かりやすくなった】と言えるのでしょうか。

 

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