相談ー相手の話の聴き方・話し方⑭傾聴とは何か 『わかって』は? 未来の教員を目指す学生と関わって番外編

この連載の内容として

第1シリーズでは、発達障害を中心とした【学級・学校に適応することが難しい子どもとの係り】について

第2シリーズでは【学力差がある集団への係り】について

第3シリーズでは【一見仲良さそうに見えるなれあい集団内部への係り】につい

第4シリーズでは『教職を目指す学生が考える【理想の教師像】』について

今はシリーズの番外編として、『悩みを抱えている子どもへどのように寄り添うかについて考えています。

まずは、『寄り添い方』の第一歩としての『話の聴き方』から始めています。

 

さて、『相手の話を聴く』ために、私たちはどのような姿を目指せばよいかについて考えます。

『話を聴く』とは、『相談』とは、悩みを打ち明けてきた相手と一緒に、その悩みを『分かち合う』ことであり、一緒に揺れてあげるこ

と考えます。そこで、『良い聴き手』を目指しましょう。

 

では、『良い聴き手』とは何かについて、事例(内容については以前の回参照)を参考に考えてみました。

【勇気を出して、職員室の担任の先生のところへ行ったけど‥‥‥】中学1年生Bさん

うまくいかなかった理由として、<Bさんは、『あまりおしゃべりをしない、友人も少ない女の子』とのことですから、担任の先生が

『元気よく』話しかけてくれたところに、違和感を感じたのではないか等>と考えました。

 

さて、『人の話を聴くときには、【傾聴】を心掛けましょう』と、多くの研究者や識者が言われます。

そこで、【傾聴】の具体的な姿について考えていきましょう。

その第一歩が、【話を聴くかまえをつくる】です。

この姿をさらに、具体的にしていきましょう。

【傾聴】=声の大きさ・トーン・話す速さを相手に合わせる

しかし【話を聴くかまえをつくる】ことは大切と分かっていても、実際には『時間がない』ケースはたくさんありますよね。

そんな時どうしますか。

相手と話し合って、別の機会を設定して、時間や場所を確保して話し合うということです。

もちろん、世の中には緊急性が要求されるこさもあるかと思います。

ですから、いつもこうした方法が全てではないでしょう。

しかし、落ち着いた環境で話し合うという手段は、ぜひとも自分のスキルとして活用したいものです。

 

さらに、この他に心掛けたいこととして‥

『言わないことに意味がある』という視点を大切にしましょう。

相手の話を聴いていたら『過去に自分が体験したこととよく似たことを、相手が話している』といった場面に遭遇することってあります

よね。思わず「分かる。私も同じ体験したから、よく分かるわ。それって、○○っていうことだよね。そういうときは、◇◇すればい

んだよ」と言いたくなってしまいませんか?

しかし、あなたはあなた。

相手は相手なのです。

さらに、もしかしたら『○○ということだけは、言いたくない』と、相手が考えているかもしれませんね。

『なぜ言わなかったのか』ということこそが、相手の抱えている悩みの根幹なのかもしれません。

まずは、相手のことを優先して、『しゃべりたい』欲求に克ちましょう。

 

さぁ、最後です。

以前にもお尋ねした質問の「わかって」です。

①『解って』は、『あなたの悩みは、○○○ということから起きたのだね』と、理由を考えています。

②『判って』は、『あなたの悩みは、それほど大変ではないと思う。時間が解決するわ』と、評価しています。

③『分かって』は、『あなたの悩みを、あなただけではなく、私にも分けて』と、悩みを分かち合おうとしていています。

そこで、「私の悩みをわかって」と言っているのですから、つまり『分かち合う』のですから、『わかって』は『分かって』が正しいと

考えると、お話したことを覚えていますか?

みなさん自身の場合を、思い出してください。

親しい誰かに、自分の悩みを相談するときに、「この人に相談すれば、私の悩みを解決してくれる」と考えて、相談されますか?

それよりも、「この気持ちを、誰かに分かってほしい」というのが、正直な気持ちではないでしょうか。

誰も、相談する相手が『魔法の杖』を持っていて、一瞬に解決してくれるなんてことを期待しているのではありませんよね。

 

私がスクールカウンセラーをしていたときに、その相談室を訪ねてきた中学1年生男子が「先生の仕事は、ぼくたちの悩みを解決するこ

と?」と質問してきました。

そこで、「いいえ、違うよ。私の仕事は、悩んでいる人の悩みを整理すること。その人が、自分で悩みを解決するお手伝いをすることだ

よ」と答えました。

すると、彼は「悩みを解決するのは自分なの?」と尋ねたので、「そうだよ。私はお手伝いするだけ」と答えたのです。

相談にのるとは、話を聴くとは『代わりに悩みを解決することでもなければ、アドバイスをすることでもありません。一緒に揺れて、そ

して話をよく聴いてあげること』なのです。

この気持ちを大切にして、『良い聴き手』を目指しましょう。

 

 

ハピネスでは、こうした身近な問題をもとに、参加者全員で話し合ったり、ロールプレイ

でスキの練習をしたりする会【コミュニケー

ションカフェ】を開いています。

リアルでもOnlineでも開催しています。

詳しくは、このHPのトピックスをごらんください。