相談ー相手の話の聴き方・話し方⑬傾聴とは何か 未来の教員を目指す学生と関わって番外編

この連載の内容として

第1シリーズでは、発達障害を中心とした【学級・学校に適応することが難しい子どもとの係り】について

第2シリーズでは【学力差がある集団への係り】について

第3シリーズでは【一見仲良さそうに見えるなれあい集団内部への係り】につい

第4シリーズでは『教職を目指す学生が考える【理想の教師像】』について

今はシリーズの番外編として、『悩みを抱えている子どもへどのように寄り添うかについて考えています。

まずは、『寄り添い方』の第一歩としての『話の聴き方』から始めています。

 

質問①「ねぇ、私の話をきいて、私の気持ちをわかって」と頼まれた時の『わかって』は、『解って』『分かって』『判っ』のどれ?

質問②相手の話を聴けない人チェック(解答等詳細は、以前のブログを参照してください)

 

次に『相手の話を聴く』ために、私たちはどのような姿を目指せばよいかについて考えます。

『話を聴く』とは、『相談』とは、悩みを打ち明けてきた相手と一緒に、その悩みを『分かち合う』ことであり、一緒に揺れてあげるこ

と考えます。そこで、『良い聴き手』を目指しましょう。

 

では、『良い聴き手』とは何かについて、事例(内容については以前の回参照)を参考に考えてみました。

【勇気を出して、職員室の担任の先生のところへ行ったけど‥‥‥】中学1年生Bさん

うまくいかなかった理由として、<Bさんは、『あまりおしゃべりをしない、友人も少ない女の子』とのことですから、担任の先生が

『元気よく』話しかけてくれたところに、違和感を感じたのではないか等>と考えました。

 

よく、『人の話を聴くときには、【傾聴】を心掛けましょう』と、多くの研究者や識者が言われます。

さて、【傾聴】の具体的な姿について考えていきましょう。

その第一歩が、【話を聴くかまえをつくる】です。

この姿をさらに、具体的にしていきましょう。

【傾聴】=声の大きさ・トーン・話す速さを相手に合わせる

事例では、Aさんが小さな声なのに、先生は『元気な声=大きな声』で話しかけてくれたので、Aさんは話せなくなりました。

そして、Aさんが暗いトーンだったのに、先生は『元気な声=明るい声』で話しかけてくたので、Aさんは話せなくなりました。

さらに、Aさんがぽつぽつと話すのに、先生は『元気に=テキパキ』と話しかけてくれたので、Aさんは話せなくなりました。

授業が終わって慌ただしく戻ってきた先生には、申し訳ないですが、『Aさんに合わせてもらえたら‥』と思ってしまいます。

しかし、実際の学校現場では、先生には時間がありません。

そして、この事例に限らず、一般的にも『時間がない』ケースはたくさんありますよね。

そんな時どうしましょうか。

相手と話し合って、別の機会を設定して、時間や場所を確保して話し合うということです。

もちろん、世の中には緊急性が要求されるこさもあるかと思います。

ですから、いつもこうした方法が全てではないでしょう。

しかし、落ち着いた環境で話し合うという手段は、ぜひとも自分のスキルとして活用したいものです。

 

さらに、この他に心掛けたいこととして‥

『言わないことに意味がある』という視点を大切にしましょう。

どうですか?

相手の話を聴いていたら『過去に自分が体験したこととよく似たことを、相手が話している』といった場面に遭遇することってありませ

んか?

その時、思わず「分かる。私も同じ体験したから、よく分かるわ。それって、○○っていうことだよね。そういうときは、◇◇すればい

いんだよ」と言いたくなってしまいませんか?

または、言ってしまったことって、ありませんか?

しかし、あなたはあなた。

相手は相手なのです。

状況が全く同じということはないでしょうし、何よりもあなたと相手の心は違うのです。

ここに、『相談』においては、マニュアルが通用しにくいという問題があります。

その一方、『○○ということだけは、言いたくない』と、相手が考えているかもしれません。

もしかすると、『なぜ言わなかったのか』ということこそが、相手の抱えている悩みの根幹なのかもしれません。

それを、こちらが「分かっている。○○は‥」と言うことで、相手の『自分の力で問題を解決する』という気持ちや姿勢を損なってしま

いうかもしれません。

まずは、『話をきちんと聴きましょう。』

 

 

ハピネスでは、こうした身近な問題をもとに、参加者全員で話し合ったり、ロールプレイ

でスキの練習をしたりする会【コミュニケー

ションカフェ】を開いています。

リアルでもOnlineでも開催しています。

詳しくは、このHPのトピックスをごらんください。