ボッチ上等!

「フェイクフレンド」と明るく、しかし投げやりに叫んでいた表情が一変し、「だって、仕方ないよ。他にいないし」と言った。そこで、「この前の話の続きになるけどいい?」と問い、彼女・Aさん・もう一人の子・転校生のBさんのそれぞれが、「友だち」と考えているものが違うし、「友だち」に求めているものも違うのではないかと、私の考えを話した。彼女はいつもより真剣に話を聴いていたが、「じゃ、やっぱりみんなに合わせろってこと?空気を読めってこと?」と尋ねてきた。そこで、「いつも誰かといっしょにいたい、一人になるのはどうしても嫌っていうのならば、そうかもしれないね。だけど、そこまでして誰かに合わせる必要あるの?」と逆にたずねたところ、今日は黙ってしまった。先日の話し合いならば、すぐに反論してきたのではないか。。それだけ、彼女にとって今回のトラブルは大きなものだったと考えられる。彼女のそれまでの価値観が揺らいでいるのであろう。

彼女にとっては辛い体験だろうが、今まで何も疑ってこなかった価値観(友だち)が揺らぎ始めているのは、決して彼女にとってマイナスだけではないと考える。

「じゃ、先生は私がボッチになったほうがいいと思っているの?」と訊くので、「別にそうは言わないけど…でも、ボッチ上等って思うかもね」と回答した。彼女は「ヤンキーみたい」と言いながら笑った。