自分らしく生きる

 

「ボッチ上等なんて言えない」と彼女が言うので、「無理してボッチにならなくてもいいんだよ」と言い、「Aさんと別々にいて、何かまずいがことあったの?」と尋ねた。すると、「べつに。体育でタイム測るときは他の子が一緒にやってくれて。今まで話したことあまりなかったけど、意外にいい子だった」と答えた。そこで、「くどいと思うかもしれないけど、大事なことだからもう一度聴くね。これから、Aさんとどうしたい?」と尋ねたところ「よく分からない」という返事が返ってきた。

「どうして?大切な人じゃなかったの?」とさらに訊くと、「ずっと、そう思ってきた。今も友だちでいたいと思う。でも、他にも友だちがいてもいいのかなと思った」と答えた。そして「他の子に比べて友だちって決めすぎていたのかもしれないなあと思えた」と話すので、「何か世の中が見えてきたね」と言うと「そうかなあ。でも、Aちゃんのことばかり考えなくていいのってなんかいい」とも言えるようになってきた

そこで、「分からないかもしれないけど、自分を大切にできるようになってきたんだよ。そういうのを自己肯定感って言うんだよ」と話すと、「何それ」と言い返し、本来の元気な彼女が蘇ってきた。

彼女のことなので、また今の反動からAさんの顔色を見たりもするだろうが、今までの強固な価値観が揺らいだことは大きいと考える。

友だちは大切。しかし、そのために自分自身を貶めることなく、自分を大切にして生きていってほしいと願う。