ソーシャルスキルトレーニング ⑦アサーション 続⑤

「ソーシャルスキル(SST)について知りたい」「ソーシャルスキル(SST)について学びたい」という意見をいただきました。

そこで、いくつかのSSTについての紹介をしています。

今は、連続して【アサーション】について、お話ししています。

興味関心をもたれたら、ぜひコミュニケーションカフェで実際に取り組んでみましょう。

【アサーション】続き⑤ 最終回

事例① 大学生からの相談(以前のブログ参照)

① 問題点は何か?

その場の雰囲気を『読んで』軽い会話が期待されている中に、『正論』で入っていくことで、周囲に波風を立てたわけです。

② では、どうすれば良かったのか?(ブログ アサーション続1~参照)

押さえておきたいこと

 ○ 相談者がこのことを問題として受け止め、発言したことは何も間違っていない。

 ○ 話の持っていき方が、この場面では適切ではなかった。

そこで、アサーションの考え(自分の気持ちだけを優先するジャイアンタイプではなく、相手に気を遣うだけののび太タイプでもなく、

自分も相手も大切にするしずかちゃんタイプ ブログ アサーション参照)を使った会話に取り組みましょう。

③友人の見極め方のアドバイス(サイコパスの考えを紹介しました。 一昨日のブログ参照)

『友人だから何でも許す』という考え方が、果たして自分の幸せにつながるかということも考えてみたいものです。

 

てせは、この【アサーション】の考え方を使って、次の事例を練習問題として考えてみましょう。

事例② 女性総合職 勤務8年目からの相談(昨日のブログ参照)

一見大きなトラブルはないようですが、それは相談者さんが我慢していることで成り立っている『平穏』ですね。

あのドラえもん一家で言うならば、相談者さんが『のび太タイプ』を演じているわけです。

ですから相手はOKでしょうが、自分自身はOKではないので、不満が積もっていきます。

それを、【アサーション】の考えを使うことで、『しずかちゃんタイプ』の【自分もOK相手もOK】にしていきましょう。

ただし、前回と違う点としては【友人という私的な関係】ではなく、【同僚という公的な関係】であることがあげられます。

この特徴を使って、相談者さんにアドバイスをしてみましょう。

ここで、まず考えてみたいことは、相談者さんがどちらの生き方を選択するかということです。

A波風は立てたくない。こうやって時々愚痴を言いながら、何とかやっていければそれで構わない。

B初めはちょっとしんどいことがあっても、先のことを考えると後輩との関係性をきちんとしておきたい。

Aを選択した場合には、また辛くなったら、その場で立ち止まって考えていきましょう。新年度になって、周囲の状況も変わるかもしれ

ません。この選択は選択で尊重しましょう。

Bを選択した場合には、二つのことに取り組みましょう。

○責任感が強く誠実な相談者さんには少々苦しいかもしれませんが、周囲とりわけ上司を巻き込みましょう。

相談者さんと後輩の関係がギクシャクすることは、単なる二人の人間関係にとどまらず、広い視野に立てば会社の業績の低下にもつなが

りかねません。そうならば、上司にも十分に関わってくることですよね。

まず上司と話をしましょう。

その時に、心掛けたいことは『相談者さんと後輩の女性二人の感情的なトラブル』と矮小化されないように、努めて客観的に話したいも

のです。数字などのエビデンスがあれば、なおさらOKです。

その上で、『相談者さんと後輩の業務の分担・線引き』について、できる限り明確な指示を出してもらいましょう。

事前に上司と打ち合わせをして、話し合いの場には後輩も加えて、改善点を明らかにしていきましょう。

○後輩と話をしましょう。(【アサーション】です)

後輩の良い点、今までに助けてもらえてうれしかった点について、お礼を言いましょう。

そして、今度の仕事では「○○というところで、あなたの力を借りたい」と話してみませんか。

そのときに、ジャイアンのように【上から目線】でなく、『私は○○を重点的に取り組むから、あなたは◇◇を頑張ってほしい』という

ように、できる限り具体的にポジティブに話しましょう。

その上で、上記の上司を交えての話し合いに参加しましょう。

この二段構えの作戦はポイント高いですが、そのための段取りは必要です。(これが根回しかもしれませんね)

当初は、こういうことに慣れていない相談者さんには結構ハードかもしれませんが、後輩との先のことを考えると、頑張ってみる価値あ

りでしょうね。

こうした思考・行動に慣れると、この件だけでなく、相談者自身の生き方にも変化が出てくるのではないかと考えます。

以上、【ソーシャルスキルトレーニング】の内の【アサーション】について、考えてみました。

せっかく得た情報を、実際に生かしてみてください。

 

ハピネスでは、こうした身近な問題をもとに、参加者全員で話し合ったり、ロールプレイでスキの練習をしたりする会【コミュニケー

ションカフェ】を開いています。

リアルでもOnlineでも開催しています。

詳しくは、このHPのトピックスをごらんください。