【聴く力・話す力のスキルアップ】⑫具体的に話す 解答編

この連載では

第1シリーズでは、発達障害を中心とした【学級・学校に適応することが難しい子どもとの係り】について

第2シリーズでは【学力差がある集団への係り】について

第3シリーズでは【一見仲良さそうに見えるなれあい集団内部への係り】につい

第4シリーズでは教職を目指す学生が考える【理想の教師像】』について

そして現在は、シリーズの番外編として、『悩みを抱えている子どもへどのように寄り添うかについて考えています。

そして、『寄り添い方』の第一歩としての『話の聴き方』について考えてきました。

その詳細は、過去のブログを見ていただくとして‥

 

さて、先日(1/30)のOnlineコミュニケーションカフェでも話題になりましたが、「自分の思いを伝えることは難しい」と思っている方

が多いと感じています。

そこで、『話し方』についてこんなことを提案してきました。(こちらも、詳しくは過去のブログをご覧ください)

1 言葉は、相手へのギフトと考えましょう

①人は、自分のイメージどおりに動く

②人は「言葉」ではなく「心」を受け止める

2 アイメッセージで、話してみましょう

3 リフレーミングで話してみましょう

①価値基準を変えてみると‥

②言葉の言い換え

③応用編 

4 具体的に話してみましょう

①『どうすべきかは分かっているけど、どうすればいいかが分からない』説明編

②『どうすべきかは分かっているけど、どうすればいいかが分からない』実践編

事例『悪気はないが、相手を傷つける言動をしてしまうAくんにどのように話しますか?』(詳しくは前回のブログを)

Aくんは、気持ちは優しいですが、言わなくてもよいことを言ってしまうタイプの男子中学生です。

不登校のBくんへの言葉かけについて、担任の先生から「どうしてそんなことを言うんだ」と、Aくんは叱られました。

Aくんは「あのままだったら、Bくんが悪口を言われてかわいそうだと思ったからなのに…どうすればよかったんだ?」と思いました。

あなたが担任の先生だったら、Aくんにどのようにアドバイスをしますか?

 

結果として見ると、確かにAくんがBくんにかけた言葉はまずかったと思います。

しかし、そこまでのAくんがBくんを心配した気持ちは、分かってあげたいと考えます。

そこで、こんな言葉かけはどうでしょうか。

先生「(A君に対して)Bくん、今日も休んじゃったね。この前、レクの時に来れたのに、残念だなあ。あの時、Aくんはすごくうれしそうだったね。あれは、やっぱり女子チームの勢いに負けていたところに、男子が増えたからかな。あの時と同じように、今日もAくんはBくんに学校に来てほしいと思っているよね。(Aくんうなづく)それで、先生は一つ不思議に思っているのだけれど、Aくんはあの時に、どうしてあんなことを言ってしまったの?(Aくんは、あの時に思ったことを伝える)そうかあ、なるほどね。そんなことを考えていたんだ。Aくん、優しいね。先生は、今Aくんの気持ちがよく分かったよ。Bくんの気持ちを考えてくれたんだね。ただ残念なのは、あの言葉では、その優しい気持ちがBくんにきちんと伝わったかということだね。Aくんのせっかくの気持ちが、Bくんに伝わるためには、どうすればよかったと思う?(Aくん「がんばれーだけにしておけばよかったのかなぁ」)そうだね。「悪口言われるよ」は言わなくてもよかったかもしれないね。それで、十分Bくんはうれしかったと思うよ。やっぱり、誰かのことを思ったら、その気持ちは伝わってほしいよね。これから、せっかくの気持ちが相手に伝わるように話してみないか?それに、今度先生がB君の家庭訪問へ行くときに、Aくんの気持ちも話してくるよ。仲良くなれるといいね。

このように話すことで、『どうすべきか』だけでなく『どうすれば良いか』も、アドバイスできればよいと考えます。

いかがでしょうか?

 

 

ハピネスでは、こうした身近な問題をもとに、参加者全員で話し合ったり、ロールプレイでスキの練習をしたりする会【コミュニケー

ションカフェ】を開いています。

リアルでもOnlineでも開催しています。

詳しくは、このHPのトピックスをごらんください。