【問題を普遍化する】コミュニケーションが苦手な人との上手な関わり方【不登校に目を向けて】⑧

今月は、【不登校】について、みなさんと一緒に考えています。

プロローグ

【不登校】についての知識の一例(以下、今回までの内容については、過去のブログをご覧ください)

本論

1 不登校の考え方の変遷

2 文科省による不登校の定義

3 不登校児童生徒数の推移

4 【不登校】の理由

① 学校生活に起因

② 家庭生活に起因

③ 本人の気質に起因

5 学校生活に起因の具体的なケースについて

【○○中学校1年5組 授業中に、勉強が苦手な生徒を傷つける言葉が、級友から投げかけられたケース】

ここで大切なことは、『本読みを間違えて、心無いことを言われた子ども』と『心無いことを言った子ども』だけの問題ではないとい

うことです。

①被害者のケア

②加害者の指導

もちろん、うやむやにすることなく、きちんと指導しましょう。

このケースの場合

学級全員がその『現場』にいて、その状況を見ているわけです。

ですから、前回の【被害者】の場合でお話したように、「このクラスでは、そうした言動は許されない」ということを全体に伝えます。

そのときに、今回の件についての指導に終わることなく、話題を普遍化させていきましょう。

被害者・加害者ばかりでなく、クラス全体がこのケースについて、考えを深める場面を設定することが大切です。

(実際の学校現場では、なかなか反省できない生徒もいるかと思います。そのときには、『人を傷つける言動をすると、担任の先生が怒って、面倒く

さいことになるからやめておこう』といった、条件反射のような反応がでてくるかもしれません。私は、それならそれでいいと思います。まずは、

『誰かを傷つける言動をしない』という、クラスの環境が醸成されることが第一歩です。その上で、学級全体を対象として『自分を大切にする・みん

なを大切にする』指導を継続的にしていくことが大切と考えます)

そして、その日の授業後に、【加害者】の指導をします。

その際に、「あんなひどいことをしてはいけないだろう」と、初めから叱るのではなく、「どうして、あんなことを言ったのか」と冷静に尋ねましょ

う。

もちろん、「【加害者】が【被害者】を嫌いだから言った」との、言わばシンプルなケースかもしれません。

しかし、「どうして嫌なのか?今まで何かあったのか?」と尋ねてみることは、無駄とは思いません。

全く何も言わないかもしれません。

しかし「ただ頭ごなしに叱るのではなく、【加害者】の言い分にも耳を傾ける」ことは、今後の彼らにとって、意味があると考えます。

なぜならば、子どもたちの人間関係では、【被害者】と【加害者】の立場が入れ替わることは、ままあるからです。

 

そして、またこんな可能性もあります。

すなわち「【加害者】は、そのチームのボス的存在の子に言わされている」といったケースもあるからです。

【加害者】自身が、悩みを抱えているかもしれません。

彼等の思いに、心を寄せてあげることも必要と考えます。

 

子どもたちの世界も、【被害者】を助け【加害者】を罰するだけでは片付かない、複雑な環境となっていることを忘れないようにしま

しょう。

そうすることで、【被害者】【加害者】ともに、学校を居場所とすることができるのです。

こうした取り組みの継続で、【不登校】の予防の一助と考えます。

 

 

 

こうした身近な問題をもとに、参加者全員で話し合ったり、ロールプレイでスキの練習をしたりする会【コミュニケーションカフェ】を開いていま

す。

リアルでもOnlineでも開催しています。

詳しくは、このHPのトピックスをご覧ください。