【被害者への全面的なケア】コミュニケーションが苦手な人との上手な関わり方【不登校に目を向けて】⑦

今月は、【不登校】について、みなさんと一緒に考えています。

プロローグ

【不登校】についての知識の一例(以下、今回までの内容については、過去のブログをご覧ください

本論

1 不登校の考え方の変遷

2 文科省による不登校の定義

3 不登校児童生徒数の推移

4 【不登校】の理由

① 学校生活に起因

② 家庭生活に起因

③ 本人の気質に起因

5 学校生活に起因の具体的なケースについて

【○○中学校1年5組 授業中に、勉強が苦手な生徒を傷つける言葉が、級友から投げかけられたケース】

残念ながら、こうしたことはよく目にすることです。

もちろん、許されないことです。

これは明らかに、いわゆる『いじめ』として取り上げるべき問題です。

しかし、この問題の中には、さまざまな要素が入っており、そんなに簡単に解決できることではありません。

みなさんが、この学級の担任ならばどうされますか?

ここで、『本読みを間違えて、心無いことを言われた子ども』と『心無いことを言った子ども』だけの問題ではないということか

ら、考えていきましょう。

【いじめ】と聞くと、【被害者と加害者の問題】として、とらえられることが多いかと思います。

しかし、本当にそれだけでしょうか。

先ほど述べたように、『それほど簡単ではない』のです。

そうしたことも含めてお話していきますが、まずは【被害者】への対応から、お話してきます。

①被害者のケア

傷つける言葉を投げかけられた生徒の心中は、いかばかりでしょうか。

ここは、全面的に子どもを受け入れる言葉かけが大切です。

授業中には、他の生徒の目もあるので、教師からの全面的な支援の言葉に戸惑うかもしれません。

そこで、授業中には『全体への指導』を優先しましょう。

「ちょっと、答え間違っていたね。残念だったね。だけど、間違っていて何が悪いの?正解だけがいいならば、先生が一方的に授業していけばいいよ

ね。でも、それでは、みんなの勉強にならないよね。どうして、間違ってしまったのかを考えることで、みんなの学力もアップするけれど、先生自身

もみんなへの教え方を見直すことができて、有難いと思う面もあるんだよ」

と、被害者である生徒も含めて、学級全員に話すことが大切と考えます。

その時に、教師が「あっ、注意しなくちゃ。でも、試験範囲まで間に合わなくなるから、後で注意しよう」等と、指導を後回しにすることは許されな

と考えます。

子ども、(今回は中学生ですが、もっと幼い子どもの場合には特に)その場で指導しなければ、子どもたちは忘れてしまいます。

そして、そうした言動(失敗した級友に、心無い言動をする)が、学級の雰囲気として定着してしまいます。

さらには、「先生は何も言わない。じゃ、いいんだ」という、『先生がいじめを許している』という誤った学級のルールが構築され

てしまいます。

ですから、ここはしっかり話をしましょう。

その上で、嫌な思いをした子どもに個別に、「あなたは何も悪くない。先生は、あなたの味方だよ」と全面的に、受け止めましょう。

そして、「他にも何か嫌なことはなかった?」と尋ねて、見守っていきましょう。

そのうえで、保護者に状況を説明して、『家庭でも見守ってください』とお願いしておきましょう。

そうしたことを継続することで、嫌な思い・辛い思いをした子どもが【不登校】にならないように、配慮をしていきましょう。

 

 

こうした身近な問題をもとに、参加者全員で話し合ったり、ロールプレイでスキの練習をしたりする会【コミュニケーションカフェ】を開いていま

す。

リアルでもOnlineでも開催しています。

詳しくは、このHPのトピックスをご覧ください。