不登校について考えましょう ③子どもや保護者と世間話ができる関係づくり

(先日、大学の同じ学科の同期会を行いました。お世話になった母校の今です)
前回の事例では、『不登校の子どもを、学校へ無理やり連れてこようとするお母さんに対して、学校は教師はどのように対応するべき
か』について考えました。その際に、「無理やりつれてくる」ことの是非よりも、まずは不登校の子どもを抱えた保護者の焦燥感や、
子ども・保護者・教師の気持ちをそれぞれの相手に伝えることの大切さについて考えました。(詳しくは、前回のブログをご覧くださ
い)
そして、今回は『子どもの欠席が続いている我が家へ、電話してこないでくください』というお母さんの気持ちについて考えます。
事例2 中学2年生のAさんは、1年生の3学期から休み始めて、今年度も1学期の始業式には出席しましたが、その後欠席が続いています。担任の先生は、今年先生になったばかりなので、学年主任の先生から教えてもらったとおりに、毎日「どんな様子ですか?」と電話連絡していましたが、電話に出たAさんのお母さんからある時「毎日電話していただくの有難いですが、朝の欠席連絡をすることも辛いです。何かあったら、こちらから連絡するので、しばらく連絡をやめてもらえませんか?」と、お願いされてしまいました。
いかが、思われましたか?
前回と同じように、一緒に以下の視点を手掛かりに、考えていきましょう。
視点① お母さんは、どうして「連絡をやめてほしい」と言ったのでしょうか?
先生が、休んでいる生徒のことを心配して毎日連絡することは、何も間違っていないと思います。
お母さんも、「うちの子のことを気にかけてくれて有難い」と思われているのではないでしょうか。
しかし、毎日電話があって「どうですか?」と尋ねられたときに、どのように答えればよいのでしょうか。
不登校でずっと家にいる子の日常に、毎日そんなに大きな出来事が起こることもないでしょう。
お母さんにしてみたら(ひょっとしたら、先生の立場でも)話すことがないのがふつうではないでしょうか。
でも、「うちの子のことを思って、先生は電話してきてくれる」と思えば、そんなに邪険なことも言えないですよね。
(さらに、ここからは私の妄想ですが‥ひょっとして三世代同居で、子どものおじいちゃんおばあちゃんが、不登校についてあまり理
解されていなかったりしたら…というケースの場合には、お母さんには別の気遣いもあることでしょう)
しかし、後で述べますが、先生が連絡をとっているということは、何もまちがっていなかったと思います。
ここで大切なことは、やり方・方法ではないかと考えます。
視点② 先生が、今まで連絡していたことは、まちがっていたのでしょうか。
先ほども述べましたが、先生が家庭に連絡することは間違っていなかったと思います。
そのことを考えるために、仮に「連絡していなかったら、お母さんはどんな気持ちになっていたか」について、想像してみましょう。
確かに、毎日「電話がかかってくるのではないか」と思い、あれこれ心配する必要はないでしょう。
その意味では、気が楽になったと言えるかもしれません。
でも、果たしてそれで終わりでしょうか。
前回もお話しましたが、学校との連絡がなくなった時に、「孤独感」「焦燥感」「見捨てられ感」を感じられるお母さんを、今まで見
てきました。
初めは、確かに「電話がかかってこなくてホッ」とされるかもしれませんが、次第に「先生は、学校はうちの子を見放した」と思わ
れるお母さんと、何人もお会いしてきました。
そんな状況を考えると、先生がお母さんに連絡していたことは、原則的に間違っていなかったと思います。
では、どうすればよかったのでしょうか。
みなさん、ご自身が「この頃顔をみていなかっけど、大丈夫?」と訊かれたら、どのように答えられますか?
「大丈夫」と返事されるのではないでしょうか。
本当は大丈夫でなかったとしても‥
ここで、「大丈夫ではない」と答えられる方は、まずいらっしゃらないと思います。
それと同じで、毎日「どうしてますか?」と尋ねられても、答えようがないのです。
ですから、例えば「今日学校でプールに入ったのですが、みんなキャーキャー言ってました。Aちゃんは、水泳はどうですか?」とお
母さんに尋ねたら「うちの子は顔を水につけるのも嫌がって」とか「小さな頃にスイミングに行っていたので、泳ぎは得意です」等
と、話が少し広がるかもしれません。
また、Aちゃんがペットを飼っているならば、「今度伺った時に、見せてもらえますか」と頼んでみるのも一つの方法です。
実際に家庭訪問しても、Aちゃんに会えないかもしれません。
でも、いいのです。
こうしてつながりのきっかけづくりができたら、よいと考えます。
先生が、不登校の子どもの家へ連絡したら、「すぐに登校するようになる」と期待するのはやめましょう。
そうではなく、まず「世間話」ができる関係づくりを目指して、より具体的に話しかけてみましょう。
事例が2つ続きましたので、次回は『不登校』の現状やその変遷などについて考えていきます。
また、次回もよろしくお付き合いください。
こうした身近な問題をもとに、参加者全員で話し合ったり、ロールプレイでスキルの練習をしたりする会【コミュニケーションカフ
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