【家庭が居場所となるために】コミュニケーションが苦手な人との上手な関わり方【不登校に目を向けて】⑫
今月は、【不登校】について、みなさんと一緒に考えています。
プロローグ
【不登校】についての知識の一例(以下、今回までの内容については、過去のブログをご覧ください)
本論
1 不登校の考え方の変遷
2 文科省による不登校の定義
3 不登校児童生徒数の推移
4 【不登校】の理由
① 学校生活に起因
② 家庭生活に起因
③ 本人の気質に起因
5 学校生活に起因の具体的なケースについて
①被害者のケア
②加害者の指導
③観衆の指導
④傍観者の指導
以上、『いじめが発生したときの4つの役割』について、お話しました。
5 家庭生活に起因の具体的なケースについて
事例①(前回の内容 事例の紹介まで)
あなたは、○○小学校2年1組の担任です。(そのように想像してみてください)
不登校傾向のAくんは、両親との三人暮らしですが、近くに祖父母が住んでいるので、彼は下校後に、学童保育等によることなく、祖父母宅でおやつ
を食べています。
その時に、祖母から母親について話を聞いていました。
そして、両親と一緒の夕食時に、母親から祖母の話を聞いていました。
そのしばらく後、彼はほとんど登校できなくなってしまいました。
みなさん、考えていただけましたか?
「嫁姑のトラブル?が、どうして【不登校】と関係があるの?」
ごもっともです。
しかし、『100の不登校には100の理由』とお話しましたよね。
関係があるのです。
事情をもう少し詳しくお話します。
この子は、祖父母宅でおばあちゃん手作りのおはぎを食べていました。
「おいしい?」とおばあちゃんが尋ねると、この子は「すごくおいしい」とニコニコして答えました。
そみで、おばあちゃんはボソッと「ママは、そういものを作ってくれないんだね」と言いました。
ニコニコしているこの子の胸に、何かがチクッとしました。
その日の夜、パパ、ママとこの子の三人で夕食を食べていた時に、パパが「おばあちゃんとこのおやつは何だった?」と尋ねたので、この子は「おは
ぎ」と答えました。
すると、ママが「おばあちゃんのおはぎは甘いんだよね」と、ボソッと言いました。
ニコニコしているこの子の胸に、何かがチクッとしました。
それから、この子の足は学校へ向かなくなりました。
なぜでしょうか。
この子は、ママはもちろん、おばあちゃんも大好きです。
おばあちゃんとママのちょつとした言葉のやりとりは、大人ならば「ああ‥」とやり過ごすことでしょう。
実際、おばあちゃんの息子であり、ママのパートナーであるパパは、何事もなく夕食を食べているのですから。
しかし、この子の心にとっては、これは一大事です。
「大好きなママとおばあちゃんがケンカしてしまう」と感じてしまいました。
そこで、この子が考えたことは「ぼくが二人のケンカを止めなきゃ。学校なんか行っている場合じゃない」ということでした。
こんな小さな子の考えに、驚かれましたか?
おそらく、そんなに理路整然と考えたのではないと思いますが、この子は『学校を休む』という選択をしました。
あなたが、担任ならばどのような対応をされますか?
家族のみなさんと、別々に話し合いました。
(ですから、おはぎという具体的な内容が分かったのですが)
そして、この子が『自分の大切な人たちが、いつも仲良しでいてほしい』と願っていることを、お伝えしました。
そして、大人ならば「そんなこと」と思う些細な出来事でも、この子の小さな胸の中ではとても大きなものになることをお話しまし
た。
しばらく後、この子は少しずつ学校へ戻っていくことができました。
この事例からは、『家庭が居場所であることの必要性』を、私自身が学ぶことになりました。
いかがだったでしょうか。
次回、もう一事例「家庭生活に起因の具体的なケース」についてお話します。
こうした身近な問題をもとに、参加者全員で話し合ったり、ロールプレイでスキルの練習をしたりする会【コミュニケーションカフェ】を開いていま
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リアルでもOnlineでも開催しています。
詳しくは、このHPのトピックスをご覧ください。