【聴く力・話す力のスキルアップ】⑨リフレーミング 『ある家族の再生から』
この連載では
第1シリーズでは、発達障害を中心とした【学級・学校に適応することが難しい子どもとの係り】について
第2シリーズでは【学力差がある集団への係り】について
第3シリーズでは【一見仲良さそうに見えるなれあい集団内部への係り】について
第4シリーズでは『教職を目指す学生が考える【理想の教師像】』について
そして現在は、シリーズの番外編として、『悩みを抱えている子どもへどのように寄り添うか』について考えています。
そして、『寄り添い方』の第一歩としての『話の聴き方』について考えてきました。
その詳細は、過去のブログを見ていただくとして‥
さて、先日(1/30)のOnlineコミュニケーションカフェでも話題になりましたが、「自分の思いを伝えることは難しい」と思っている方
が多いと感じています。
そこで、『話し方』についてこんなことを提案してきました。(こちらも、詳しくは過去のブログをご覧ください)
1 言葉は、相手へのギフトと考えましょう
①人は、自分のイメージどおりに動く
②人は「言葉」ではなく「心」を受け止める
2 アイメッセージで、話してみましょう
3 リフレーミングで話してみましょう
そして、こんな練習をしてみました。
①価値基準を変えてみると‥
②言葉の言い換え
今回は、③応用編 です。
事例 『ある家族の再生から』
父・母・姉(高1)・弟(小5)という4人家族のケースです。
父 仕事熱心であるが帰宅が遅く、家事や子育ては母親に任せっきり。子どもへの関心も低い。
母 ワンオペの家事・育児への不満が大きい。反抗期の子どもたちとの会話も乏しくなりつつある。
姉 部活の朝練や午後の練習のため、朝早く家を出て、帰宅も遅い。それでも母親とは話すが、父親や弟は同居人のように思っている。
弟 幼馴染で仲良しの友人が、私立中学受験のため、一緒に遊ぶことが少なくなり、学校でも孤立感を感じ始め、欠席が増えている。
そんな中、とうとう弟が不登校になりました。
当初、弟のことを心配して、学校と話し合っていたのは、母親だけでした。
しかし、母親の表情に疲れが見え始めた頃から‥
父親の帰宅が少し早くなってきました。
また、担任の先生が持ってきてくれた数学のプリントを、弟がやっている姿を、父親が見かけました。
そこで、「えらいじゃないか。よし、お父さんも手伝うか」と言って、弟が「分からない」と言っていたところを、教えてくれました。
また、「せっかく、プリントやったのだから」と言い、母親は弟の好きなカレーライスを夕食にしてくれました。
また、姉は「今日、学校でこんなプリントもらったよ。弟の学校にもこういう人がいるんじゃないの?」と、姉の学校のスクールカウン
セラーについてのプリントを持ってきてくれました。
少しずつですが、外をみていた家族の目が、弟の不登校をきっかけに、家族の内を見るようになってきました。
この傾向が強まってきたら、弟の不登校も少しずつ変化してくるのではないかと考えます。
そして、このことは『不登校』という一つの試練が与えられたことによって、家庭として機能不全に陥っていたこの一家の再生の第一歩
が始まったとも考えられるのではないでしょうか。
そう考えると、弟の『不登校』は、この家族にとってとても意味あることだったのではないでしょうか。
これも、物事の価値基準を変えてみるという点で、リフレーミングの一つの考え方と言えるでしょう。
いかが思われますか?
ハピネスでは、こうした身近な問題をもとに、参加者全員で話し合ったり、ロールプレイでスキルの練習をしたりする会【コミュニケー
ションカフェ】を開いています。
リアルでもOnlineでも開催しています。
詳しくは、このHPのトピックスをごらんください。