未来の教員を目指す学生と関わって3部⑧

この連載の第1シリーズとして、発達障害を中心とした【学級・学校に適応することが難しい子どもとの係り】について、また第2シリ

ーズとして【学力差がある集団への係り】について、教員を目指す彼らが抱えている不安について考えてきました。

今シリーズでは、【一見仲良さそうに見えるなれあい集団内部への係り】について、考えていきます。

 

子どもたちは、活発に楽しそうににぎやかに活動しています。

しかし、このグループ内では、外から伺えられない『人間関係のトラブル』が生じていることがよくあります。

 

『私的なグループ内での一人または特定の子どもに対する高い依存を、公的なグループでの生活時間を増やすこで、その価値を相対的

に引き下げる』ことを目指し、その具体的な手立てについてお話しています。

『野外学習』等大きな行事に限らず、『毎日の掃除の班』『理科の実験班』『合唱コンクールのパート』『英語のスキットを話すペア』

『体育の実技をサポートするペア』等、少人数で取り組む活動は、私たちが想像するよりもたくさんあります。

その際に、「好きな子どうし」等と言う子どもは、まずいません。

では、なぜ『遠足』などでは、チーム編成についての不満が出てくるのでしょうか。

それは、『掃除の班』等を作ることの意味が明確であるのに対して、『遠足』『野外学習』『修学旅行』等で少人数活動をすることの目

的・必然性を、今一歩子どもたちが納得していないからではないでしょうか。

そう考えると、次に取り組む手立てがはっきりしてきます。

すなわち『少人数のチーム・班を何のためにつくるのかを、子どもたち自身に考えさせる』ということではないでしょうか。

 

遥か昔、私が担任をしていた頃にも、子どもたちは最初「好きな子どうし」と提案しました。

そこで、「なぜ好きな子どうしなのか」「好きな子どうしは、活動の目的に適しているか」と尋ねていくと、面倒くさくなった子どもが

「じゃ、クジでいいわ」と言い始めます。

そこで、さらに「クジが本当に適しているのか」と問うと、そこから【本当の話し合い】が始まります。

そこから子どもたちが話し合って決まった結論には、担任は口をはさみません。

子どもたちには、『誰と同じ班になるか』が大問題ですが、担任にとっては『そうした自分たちの問題を自分たちで話し合う』ところ

に、大きな価値を見出しているわけです。

 

この『自分たちのことを自分たちで考え、話し合い、決める』という一連のルーティンを習慣化してしまうと、『野外学習』『遠足』等

でも、自分たちで話し合い、決めていくことになります。

普段の『理科の実験の班』等での少人数編成に手間をかけずに、大きな行事の時だけ、子どもたちに考えさせても、今までそうした

【力】が育っていなければ、不毛の話し合いになるのではないでしょうか。

 

さらに話を続けます。

 

 

ハピネスでは、こうした身近な問題をもとに、参加者全員で話し合ったり、ロールプレイでスキの練習をしたりする会【コミュニケー

ションカフェ】を開いています。

リアルでもOnlineでも開催しています。

詳しくは、このHPのトピックスをごらんください。