未来の教員を目指す学生と関わって3部⑨

この連載の第1シリーズとして、発達障害を中心とした【学級・学校に適応することが難しい子どもとの係り】について、また第2シリ

ーズとして【学力差がある集団への係り】について、教員を目指す彼らが抱えている不安について考えてきました。

今シリーズでは、【一見仲良さそうに見えるなれあい集団内部への係り】について、考えていきます。

 

子どもたちは、活発に楽しそうににぎやかに活動しています。

しかし、このグループ内では、外から伺えられない『人間関係のトラブル』が生じていることがよくあります。

 

そうしたトラブルを防ぐために、『公的なグループを子どもたちが話し合って決めることで、私的なグループ内での一人または特定の子

どもに対する高い依存を、相対的に引き下げる』ことを目指し、その具体的な手立てについて考えています。

なぜ『理科の実験班』を決める時には生じない不満が、『遠足』『野外学習』などでは出てくるのでしょうか。

それは、子どもたちが『掃除の班』等を作ることの意味が明確であり当たり前と捉えるのに対して、『遠足』『野外学習』等での班づく

り方法を当たり前と思わず、さらに目的・必然性を、今一歩納得していないからではないでしょうか。

そう考えると、次に取り組む手立ては、『遠足』『野外学習』等での班づくりの目的・必要性を、子どもたち自身が理解すること、そし

自分たち自身でその方法考えるということではないでしょうか。

もちろん子どもたちには『誰と同じ班になるか』が大問題ですが、担任にはその先を見る必要があると考えます。

すなわち『自分たちの問題を自分たちで話し合う』ことの重要性を、絶えず意識してほしいのです。

 

この『自分たちのことを自分たちで考え、話し合い、決める』という一連のルーティンを習慣化してしまうと、『野外学習』『遠足』等

でも、自分たちで話し合い、決めていくことになります。

普段の『理科の実験の班』等での少人数編成に手間をかけずに、大きな行事の時だけ、子どもたちに考えさせても、今までそうした

【力】が育っていなければ、不毛の話し合いになるのではないでしょうか。

 

子どもたちの中に、そうした【力】を育てていきましょう。

学級の決め事は、先生や一部のリーダーで決めるのではなく、全員で考えるというルーティンを学級の文化として確立させましょう。

そうした活動を通して、子どもたちは大きく言えば【民主主義】を学んでいくと考えます。

その結果、よく言われる『カースト』とか、ここで話題としている『チャム』の弊害が小さくなっていくと考えます。

子どもたちが、他の視点で物事を見るようになり、他にもっと楽しいことや興味深いことがあると分かれば、相対的に『カースト』『チ

ャム』のように一部の子への依存度が下がっていくのではないでしょうか。

 

では、次にそのための具体的な手立てについて考えましょう。

 

 

 

 

ハピネスでは、こうした身近な問題をもとに、参加者全員で話し合ったり、ロールプレイでスキの練習をしたりする会【コミュニケー

ションカフェ】を開いています。

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詳しくは、このHPのトピックスをごらんください。