若者のトリセツ【やさしさが止まらない】⑲
『ユーメッセージ』よりも『アイメッセージ』で話すことによる効果について、さまざまな機会でお話してきました。
しかし、このごろの大学の授業での様子を見ると、そもそも学生たちは『ユーメッセージ』で話しません。
ほとんど全員が初めから『アイメッセージ』で話しているのです。
それも、かなり卑屈な言い方をしています。
どうして大学生は、事例(以前のブログ参照)の場面でも、相手に謝罪を要求せず、妙に物わかりの良い人を演じているのでしょうか。
『相手を傷つけるのでは』という心配もあるでしょうが、それよりも『相手に嫌われて、私自身が傷つく』不安が大きいのではないかと
思えてなりません。。相手を思う優しさではなく、自分が傷つかないための保険である『優しさ』で、相手と接していると考えます。
どうして、ここまで周囲に対して防衛しないと、付き合うことができないのでしょうか。
このことについて、次の2点を考えてみました。
① 自立した個人どうしの対等な関係が築きにくい
② 自分に自信がないので、周囲の影響を受けやすい
(内容については、以前のブログをご参照ください)
具体的な事例(前回のブログ参照)とともに、その解決について考えています。
第一の視点
Aさんの言動は、間違っていたのか?
間違っていたのならば、どのように言えば良かったのか?
第三の視点
周囲の友人の言動をどのように考えるか?
周囲の友人は、どうしてそうした言動をしたと考えるか?
第ニの視点
友人の言動をどのように考えるか?
Aさんに、友人との関係についてどのようにアドバイスするか?
以上、三つの視点から『若者の友人?に対する接し方』について、考えてきました。
昨日、病院の中に併設されているスタバで、大変興味深い光景を目にしました。
店内は、そこそこ混んでいたので、私も注文の列に並んでいました。
私の前に並んでいた青年が、持っていた傘を倒したので、拾って渡してあげました。
彼は、マスクの中でモゴモゴとお礼を言いました。(そのように聞こえました)
その間に、彼が注文する番になりました。
すると、私には信じられない光景が現れました。
あのモゴモゴ青年が、立て板に水のようにペラペラと話し始めたのです。
「○○のショートで、ホイップクリームをたっぷりと、そして◇◇をトッピングしてそれもたっぷりでお願いします。ミルクは他のもの
に変えてもらえますか‥‥‥‥続く」といった具合です。
それだけ話せるならば、きちんとお礼を言いなさいよと、心の中で毒づいている私には、とても喋られないくらいの豊かな情報量をこな
していました。
このアンバランスは一体何だろうかと、考えさせられました。
こんなことでしょうか?
『予め芝居のセリフのように決まっているルーティーンをこなすことは得意。しかし、イレギュラーの場面になると、その後の展開への
不安感からどうしてよいかが分からないので、行動できない』
このことも、今までお話してきた若者の『やさしさ』と、その根っこのところでつながっているように思います。
ますます、興味深さを感じてきましたが、ここでひと段落つけたいと思います。
大学の非常勤講師を続けている間は、お話するネタには事欠かないと思いますから‥
お待ちください。
さて、次回からはコミュニケーションカフェ5月例会について、お話していきます。
これからも、よろしくお願いいたします。
ハピネスでは、こうした身近な問題をもとに、参加者全員で話し合ったり、ロールプレイでスキルの練習をしたりする会【コミュニケー
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