自分の気持ちとの上手な付き合い方~自分をそのまま受け入れましょう~コミュニケーションカフェ5月例会より⑨

考えるきっかけ

みなさんは、「日頃は笑って済ませる、ささいな言動に妙にイラついてしまい、自分で自分の心をもて余したり」と言う体験をされたこ

とがありませんか。

時間の経過とともに、薄らいでいってくれるとよいのですが、時には、そうした思いが心の中に沈殿して、次第に心がネガティブな方向

に傾き、人によっては【孤独】や【生きづらさ】を感じることもあるものです。

そんな状況から、自由な自分を取り戻しましょう。

そして、その時に大切にしたいことは、「ネガティブな考えをしてはいけない!」と頑張りすぎるのではなく、自分のなかにある『ポジ

ティブな心』とも『ネガティブな心』とも、上手に付き合っていくことです。

そのための考え・スキルについて、3回のコミュニケーションカフェで、取り組んでいきます。

まず第1回目5月例会では、『自分をそのまま受け入れましょう』に焦点を当てます。

 

『自分をそのまま受け入れましょう』の内容

【人は言われたとおりに育つ】ということを糸口として、私たちの認知と行動のつながりのシステム (①信念 ➡ ②思考 

➡ ③感情 ➡ ④生理的反応 ➡ ⑤行動 ➡ ⑥結果)について考えています。

この流れのどこかを断ち切ることで、『イライラ』や『ゆううつ』な気持ちから、自分本来の気持ちを自由にしましょう。

 

前回までに、第一段階の【信念】について、事例を基に考えてきました。

今回は、いくつかの【信念】と、そのアンチテーゼをご紹介します。

①『誰でも同じルールに従わなければならない』

いかがですか?

確かに、その通りと思いますよね。

「誰かが得をして、私が損をするなんてイヤ」はごもっともと思います。

しかし、ちょっと立ち止まって考えてみましょう。

私は長く学校現場で働いてきました。

すると、こんな光景を見ることが多くありました。

『小学2年生の落ち着きのないAくんは、授業中にたびたび立ち歩きます。先生は、彼の気質の傾向を知っている(ADHD傾向)ので、あまり強く叱りませんでした。そうした状況がしばらく続いたところ、クラスの他の子たちから「先生はAくんばかりひいきにする。僕たちがウロウロしたら怒るのに、Aくんだと怒らないなんて、不公平だ」という声が上がりました。』

確かに、子どもたちの気持ちも分かりますよね。

クラスというか学校のみんなは『授業中は落ち着いて学習する』という約束=ルールに全員従うべきですよね。

しかし、実際に従わない(従えない)子どもに対して、どうすればいいのでしょうか。

 

同じことが、学年が変わると、状況が変わってきます。

中学3年生のクラスで、同じように落ち着きのないAくんがウロウロしても、クラスのみんなは「ああ、Aくんはああいう子だから」

と、それを受け入れます。そして、教師がAくんを注意しなくても、それを非難したりしなくなっていきます。

(ここには、さまざまな考えがあるかと思いますが、その状況をそれぞれの立場で受け止めようとしていきます。Aくんも自ら「イライラしてきたから、行ってくる」と言い、クールダウンできる場所へ行って、しばらく後に戻ってきます。もっとも、教室内の掃除道具入れをクールダウンの場所と決めていて、そこから突然現れた時には、びっくりしましたが)

子どもたちは成長するにしたがって、「ルールといっても違うこともあるんだなぁ」ということを知るわけです。

そして、彼等の成長がそれを受容します。

そうすることで、自分と異なる存在を知り、受け入れ、共生していくわけです。

 

もちろん、「人を傷つけてはいけない」といった、全ての人が守らなければならないルールはあります。

しかし、人にはそれぞれ背負っているものが異なります。

自分が遵守しているルールを守らない(守れない)人の存在を、お互いに認め合っていきませんか?

 

 

ハピネスでは、こうした身近な問題をもとに、参加者全員で話し合ったり、ロールプレイでスキの練習をしたりする会【コミュニケー

ションカフェ】を開いています。

リアルでもOnlineでも開催しています。

詳しくは、このHPのトピックスをご覧ください。