相談ー相手の話の聴き方・話し方⑫傾聴とは何か 未来の教員を目指す学生と関わって番外編
この連載の内容として
第1シリーズでは、発達障害を中心とした【学級・学校に適応することが難しい子どもとの係り】について
第2シリーズでは【学力差がある集団への係り】について
第3シリーズでは【一見仲良さそうに見えるなれあい集団内部への係り】について
第4シリーズでは『教職を目指す学生が考える【理想の教師像】』について
今はシリーズの番外編として、『悩みを抱えている子どもへどのように寄り添うか』について考えています。
まずは、『寄り添い方』の第一歩としての『話の聴き方』から始めています。
質問①「ねぇ、私の話をきいて、私の気持ちをわかって」と頼まれた時の『わかって』は、『解って』『分かって』『判っ』のどれ?
質問②『相手の話を聴けない人チェック』(解答等詳細は、以前のブログを参照してください)
次に『相手の話を聴く』ために、私たちはどのような姿を目指せばよいかについて考えます。
『話を聴く』とは、『相談』とは、悩みを打ち明けてきた相手と一緒に、その悩みを『分かち合う』ことであり、一緒に揺れてあげるこ
とと考えます。そこで、『良い聴き手』を目指しましょう。
では、『良い聴き手』とは何かについて、事例(内容については以前の回参照)を参考に考えてみましょう。
【勇気を出して、職員室の担任の先生のところへ行ったけど‥‥‥】中学1年生Bさん
うまくいかなかった理由として、<Bさんは、『あまりおしゃべりをしない、友人も少ない女の子』とのことですから、担任の先生が
『元気よく』話しかけてくれたところに、違和感を感じたのではないか>等と考えました。
では、次に【先生は、どうすれば良かったか】について考えます。
よく、『人の話を聴くときには、【傾聴】を心掛けましょう』と、多くの研究者や識者が言われます。
さて、「傾聴って、何ですか?どんな状態のことですか?」
【傾聴】の具体的な姿について考えていきましょう。
その第一歩が、【話を聴くかまえをつくる】です。
この姿をさらに、具体的にしていきましょう。
【傾聴】=声の大きさ・トーン・話す速さを相手に合わせる
事例では、Aさんが小さな声なのに、先生は『元気な声=大きな声』で話しかけてくれたので、Aさんは話せなくなりました。
そして、Aさんが暗いトーンだったのに、先生は『元気な声=明るい声』で話しかけてくたので、Aさんは話せなくなりました。
さらに、Aさんがぽつぽつと話すのに、先生は『元気に=テキパキ』と話しかけてくれたので、Aさんは話せなくなりました。
授業が終わって慌ただしく戻ってきた先生には、申し訳ないですが、『Aさんに合わせてもらえたら‥』と思ってしまいます。
しかし、実際の学校現場では、先生には時間がありません。
そして、この事例に限らず、一般的にも『時間がない』ケースはたくさんありますよね。
そんな時どうしましょうか。
例えば、先生がAさんにこんなふうに言ったら、どうでしょうか。
「Aちゃん、ごめん。先生は次の時間も授業があるから、今はAちゃんとゆっくり話せない。でも、Aちゃんがわざわざ話に来てくれたってことは、きっとすごく大切な話だろうなぁと分かるよ。だから、時間をきちんととってゆっくりと話したい。Aちゃんは、今日の授業後に部活とか習い事とか、何かある?何もないのだったら、きょうの授業後にゆっくり話したいけど、それでもいいかな。早く話さないといけないってことじゃないかな。うん、分かった。じゃ、今日の授業後にゆっくり話そう。掃除が終わったら、教室へ来てね。じゃ、次の授業頑張っておいで」
いかがでしょうか。
相手と話し合って、別の機会を設定して、時間や場所を確保して話し合うということです。
もちろん、世の中には緊急性が要求されるこさもあるかと思います。
ですから、いつもこうした方法が全てではないでしょう。
しかし、落ち着いた環境で話し合うという手段は、ぜひとも自分のスキルとして活用したいものです。
この他にも、心掛けたいことがあります。
それは、次回に‥
ハピネスでは、こうした身近な問題をもとに、参加者全員で話し合ったり、ロールプレイ
でスキルの練習をしたりする会【コミュニケー
ションカフェ】を開いています。
リアルでもOnlineでも開催しています。
詳しくは、このHPのトピックスをごらんください。