相談ー相手の話の聴き方・話し方⑪傾聴とは何か 未来の教員を目指す学生と関わって番外編
この連載の内容として
第1シリーズでは、発達障害を中心とした【学級・学校に適応することが難しい子どもとの係り】について
第2シリーズでは【学力差がある集団への係り】について
第3シリーズでは【一見仲良さそうに見えるなれあい集団内部への係り】について
第4シリーズでは『教職を目指す学生が考える【理想の教師像】』について
今はシリーズの番外編として、『悩みを抱えている子どもへどのように寄り添うか』について考えています。
まずは、『寄り添い方』の第一歩としての『話の聴き方』から始めています。
質問①「ねぇ、私の話をきいて、私の気持ちをわかって」と頼まれた時の『わかって』は、『解って』『分かって』『判っ』のどれ?
質問②『相手の話を聴けない人チェック』(解答等詳細は、以前のブログを参照してください)
次に『相手の話を聴く』ために、私たちはどのような姿を目指せばよいかについて考えます。
『話を聴く』とは、『相談』とは、悩みを打ち明けてきた相手と一緒に、その悩みを『分かち合う』ことであり、一緒に揺れてあげるこ
とと考えます。そこで、『良い聴き手』を目指しましょう。
では、『良い聴き手』とは何かについて、事例(内容については前回参照)を参考に考えてみましょう。
【勇気を出して、職員室の担任の先生のところへ行ったけど‥‥‥】中学1年生Bさん
私は、以下のことを考えてみました。
◇Bさんは、『あまりおしゃべりをしない、友人も少ない女の子』とのことですから、担任の先生が『元気よく』話しかけてくれたとこ
ろに、違和感を感じたのではないでしょうか。
◇Bさんは、『自分から話しに行くことは滅多にない』のですから、違和感(気後れでしょうか)を感じたときに、それを乗り越えてま
でして、自分の思いや考えを相手に伝えるということは無理かと思います。
また、『回収したワークをいっぱい抱えて』という先生の姿を見て、「話しかけたら迷惑」と思ってしまったのかもしれません。
◇そんな『自分から話しに行くことは滅多にない』Bさんには「また、今度」は無いと思います。
では、次に【先生は、どうすれば良かったか】について考えましょう。
◇【話を聴くかまえをつくる】
以前にも、お伝えしたことがあるかと思いますが、【話を聴くかまえをつくる】ことを目指しましょう。
よく、『人の話を聴くときには、【傾聴】を心掛けましょう』と、多くの研究者や識者が言われます。
そして、話を聴かれた多くのみなさんが「【傾聴】が大切なんですよね」と言われます。
では、ここで質問です。
「傾聴って、何ですか?どんな状態のことですか?」
おそらく、多くの方が具体的な姿を思い描けていないのではないでしょうか。
学生さんたちと一緒に学んでいて気付くことですが、『具体的なイメージを描けない』ことって、なかなか実際にできないと思います。
そこで、【傾聴】の具体的な姿について考えていきましょう。
その第一歩が、【話を聴くかまえをつくる】です。
この姿をさらに、具体的にしていきましょう。
【傾聴】=声の大きさ・トーン・話す速さを相手に合わせる
みなさんも、体験がありませんか。
仕事仲間と真剣な話(ですから落ち着いた口調で)の打ち合わせをしていたときに、途中から参加してきた同僚がめちゃめちゃテンショ
ン高く、ぞんざいな言葉遣いだったので、辟易としてしまったこと。
また逆に、友人グループと週末のランチの話題で盛り上がっていたときに、一人が「行くけど‥このごろ頭痛がひどくって‥」と暗い表
情でぼそぼそと話し始めたので、一気に意欲が低下してしまったこと。
まあ、こんなことってありますよね。
たくさんの人が話し合う場面では、しょうがないかとも思いますし、『空気読め』というつもりもありません。
ただ、事例のように相手の相談を受ける場面では、相手が話しやすい環境をつくることが肝要と考えます。
そこで、相手(相談者)と声の大きさ等を合わせましょう。
事例では、Aさんが小さな声なのに、先生は『元気な声=大きな声』で話しかけてくれたので、Aさんは話せなくなりました。
そして、Aさんが暗いトーンだったのに、先生は『元気な声=明るい声』で話しかけてくたので、Aさんは話せなくなりました。
さらに、Aさんがぽつぽつと話すのに、先生は『元気に=テキパキ』と話しかけてくれたので、Aさんは話せなくなりました。
授業が終わって慌ただしく戻ってきた先生には、申し訳ないでいすいすが、『Aさんに合わせてもらえたら‥』と思ってしまいます。
しかし、実際の学校現場では、先生には時間がありません。
そのための具体策も考えていきましょう。
ハピネスでは、こうした身近な問題をもとに、参加者全員で話し合ったり、ロールプレイ
でスキルの練習をしたりする会【コミュニケー
ションカフェ】を開いています。
リアルでもOnlineでも開催しています。
詳しくは、このHPのトピックスをごらんください。