生徒・子どもの心とどう向き合うか13 ハッピー物語84【番外編】より

Ⅱ 【生徒・子どもの心とどう向き合うか】についての考え

③学校生活アンケートから見えてくる【生徒・子どもの心】について

事例1 「学校へ行きたくないと思うことがある」「学級内に何でも話せる生徒がいない」「授業がよく分からない」の項目を選択した

   生徒・子ども

事例2 女子仲良し3人組。いつも一緒にいるので、担任も「仲がいい」と理解している。しかし、この検査の結果AとBは検査結果表

   の右上(満足群)にいるが、2人より離れて左下にいる生徒・子ども

小学校上級生より中学校にかけて、女子は【チャム】というグループを作りやすい。

【チャム】は、その構成員が「私たちだけ」という帰属意識が高く、仲間意識をグループの内にも外にも示そうとする傾向が強い。

そのため、一見仲良さそうに見えるが、そのグループ内の関係性はなかなかつかみにくく、グループ内カーストが生じやすい。

下位にいて辛いのならば、そのグループを抜ければ良い」と当事者以外は考えがちであるが、『抜けても、他に所属するグループがな

く、ボッチになってしまう』という不安感から、『ボッチよりは奴隷がいい』という選択をする生徒・子どもも少なくない。

そこで、「学校が楽しくなさそうに見えるけど、そんなことないかな?」何度も声をかけてみることで、「私のことを、先生は気にか

てくれている」という教師への信頼感を育てていきたい。

これは<三次支援>であるが、学級全体にも【自己肯定感】を高める働きかけ<一次支援>をすることで、彼女ばかりでなく多くの生徒

子どもが、自分に自信を持てるように育てていきたい。

事例3 日常の観察からは、【学校生活に満足していない】とみられるが、質問紙のどの項目にも高評価をしている生徒・子ども

もちろん、中には『面倒くさい』『適当にやった』という生徒・子どももいるであろう。

しかし、質問紙の結果が担任教師の目にふれることは、大半の生徒・子どもは承知している。

その上で、『学校生活に満足している』という高評価は、【どう思われたいのか】と考えてみる必要があるのではないか。

(矛盾しているように聞こえるかもしれないが、たかがアンケートである。そこにさえ、気を遣っているのではないかと、考えをめぐら

すことも必要ではないか)

もしかして、そこまで【他者からの評価】を気にするほど、追い詰められているのではないかと、考えてみることも必要なのでは?

ずっと昔は、こうしたケースの場合に『真剣に答えていないから、注意しなければ』ととらえる教師が多かったと思う。

しかし、今は【生徒・子どもの心情】は、それほど簡単ではないと考える。

とりわけ、【入試】【調査書】が話題となりやすい3年生の場合には、そうした配慮も大切であると考える。

そうした生徒への対応として、質問紙の結果にとらわれずに、教師には今までにもまして【きめ細かい生徒・子どもの観察】を心掛けて

もらいたい。

どんな質問紙や検査よりも、教師による日常の観察に勝るものはないと、自信をもっていただきたい。

ただし、それだけの【生徒・子どもを見る目】を養う不断の努力を目指してほしい。

 

次回は、質問紙以外の手段・方法について考えていきます。

 

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