未来の教員を目指す学生と関わって⑦
現在の学校現場、とりわけ公立学校がとても多様化していることについてお話しています。
多様化の状況として、話す言語が違う子ども、不登校傾向の子どもや、発達障害傾向のある子どもなど本当にさまざまです。
対応に際して、配慮すべき点はいろいろありますが、彼らと教師が一対一で対応しているときには、さして問題とならないことが、学級
全体の中での対応となると、難しい問題が生じてくることがあります。
例えば、【多動傾向】のある子どもが、授業中に立ち歩いたとしましょう。
その子どもについて、また【発達障害】についての知見がある先生ほど、「【多動傾向】のある子に声かけしても、今はじっとすること
は無理だから、しばらく様子を見よう」と、判断されるかと思います。
一見、【多動傾向】のある子への配慮のように見えますが、ここに大きなトラブル発生の可能性があります。
学級にいる他の子どもたちが、どのような反応をするかということです。
これについて、とりわけ対応が難しい『小さな子たち』の場合について考えていきます。
「僕が授業中に立ち歩いたら、先生は僕を怒るにの、どうしてあの子の場合には怒らないの?ひいきだ。」等と言う子どもたちについて
です。
ここでは、2つの方法があると考えます。
すなわち、【森と木】両方を見る目が必要となってきます。
①まず、【木】について考えましょう。
すなわち、該当児童への対応です。
みなさんも思われるょうに、頭ごなしに「そんなことしちゃだめでしょ」と叱ったところで、事態は何も解決しません。
むしろ、その子は叱られたことで興奮してしまい、さらに泣いたり暴れたりというように状態が悪化してしまうというケースも、何度か
体験しています。
そこで、まずは「どうした?何かあったの?」と、子どもと目の高さを合わせて尋ねましょう。
そして、言い分を聞いたところで、「少し落ち着こうか」と、その子を別室で落ち着かせましょう。
もちろん、これは担任一人でできることではないので(他の子どもたちをほかっておくことはできません)、他の先生・養護教諭・管理
職・スクールカウンセラー等との連携を図りたいと考えます。➡よく言われる『チーム学校』です。
そして、(ここがポイントです)その児童を毎日よく観察する中で、『いつもは✖な行動をするのに、なぜか◎の行動をした時』を、見
逃さずにキャッチしましょう。
すなわち、『✖の時を叱る』ではなく『◎の時を褒める』という作戦です。
そして、その子の中に『~~という行動をしたら、褒められる』という思考パターンを根付かせることです。
ここでは、小さな子の特性を生かしましょう。
つまり『褒められたい』という特性です。
確かに時間がかかる指導と思います。
しかし、その子も指導する教員も、未来へ希望を持てる指導です。
ぜひ、試みてください。
次回は、②についてお話します。
ハピネスでは、こうした身近な問題をもとに、参加者全員で話し合ったり、ロールプレイでスキルの練習をしたりする会【コミュニケー
ションカフェ】を開いています。
リアルでもOnlineでも開催しています。
詳しくは、このHPのトピックスをごらんください。