子どもたちの置かれている状況 10
今まで「勉強」というものをしてこなかった彼女に、「勉強をする」「努力が成果に現れる」という体験をさせたいというのが、私を含め彼女の周囲の人々の願いです。
話がそれますが…
先日、地下鉄の広告で「やればできるは魔法の言葉」というキャッチを見ました。「ええっ!」と驚き、全身から力が抜けるのを感じました。今までこの言葉にどれだけ多くの子どもや保護者が踊らされてきたことでしょうか。多くの場合、やる気のない子を励ますつもりで使われてきた言葉ですが、子どものプライドをくすぐるだけだったように思います。
そうではなく、本当は「頑張れること自体が素晴らしい」のではないでしょうか。
今回の事例で考えてみると、彼女は勉強というものをしてこなかった→つけ刃で努力しても、なかなか成果は現れないかもしれない→しかし、少しでも努力が成果に結びつくことを体験させる→何事でも、最初からあきらめずに頑張ってみよという気持ちが育つ というルーティーンを思考としても、生活習慣としても身につけさせたいと考えました。
それは、彼女の長い人生から考えて、「二次方程式が分かる」ことよりも大切でしょうし、さらには「美容師になること」よりも大切ではないかと考えたからです。(彼女が知ったら、そんなこと頼んでないと怒るでしょうが)
そこで、簡単かつ必ず出題されそうな問題に焦点を絞って、カウンセリングならぬ特訓を始めました。