子どもたちの置かれている状況11

一緒に勉強して「彼女は意外に理解力が高い」ということに気づきました。成績が良くなかったのは、学習習慣がなかったからでしょう。その後彼女にしてみたら、よく頑張りました。すると試験前日に、彼女が「怖い」と言うではありませんか。また、我々はびっくりしました。今まで「怖い」などという言葉を彼女の口からきいたことはありませんし、ましてや「試験」についてそのような感情を抱いたということも信じられません。彼女にその理由を尋ねると、「せっかく勉強したのに、点がとれなかったら損じゃん」と返事が返ってきました。そこで「そういう気持ちになったことが素晴らしい。それは、○○が頑張ったから言えることだよ。」と励ますと、まんざらでもない顔をして帰っていきました。

そしてテスト後、「やっぱりだめだった。勉強してバカみたい」と、不満顔で通所してきました。数学のテストは27点でした。彼女は27点に不満のようですが、私は上出来だと思いました。そこで、「今まで勉強してこなかった」「毎日登校している人でも、難しいテストなのによく頑張った」「勉強したところが〇だったのは、よく頑張った証拠。ほめてあげたい」と、彼女の頑張りをほめたところ、彼女がぽろぽろと涙をこぼし始めました。いつも意地を張ってきた彼女の涙を、初めて見た我々は本当に驚きました。

彼女はなぜ泣いたのでしょう…