何ができるだろう④どうしたら、友だちはできるの?⑤

今回は、人と人との関わりにおいて、おそらく永遠のテーマである『どうしたら、友人ができるだろうか』『友人とどのようにかかわっ

ていけばよいだろうか』等について、考えていきます。

事例1 友人関係を長続きできない女子中学生の場合

Aさんは、中学2年生の女子。学習成績は伸び悩んでいるものの、バスケットボール部に所属し、身長の高さを生かして、試合ではポイ

ントゲッターとして活躍している。

休み時間に廊下を通るときに見かけるAさんは、級友とよく談笑している姿が印象的であり、一見何の悩みもないように思われた。

しかし、相談に訪れたAさんは「私には友人がいません」と言い、泣き始めた。

さぁ、何が問題なのでしょうか。

 

Aさんと話してみて、印象的だったことが二つありました。

まず一つ目は、よく言えば自分の考えをきちんと持っている。

しかし、悪く言えば他の考えを受け入れない、すなわち「こうである」と決めると、他の考えを受け入れにくいという傾向を感じまし

た。今の言葉で言えば、「こだわりが強い」ということです。

もう一つは、相手との心理的な距離感の特異性でした。

相手の心理的なテリトリーへ、ずけずけと踏み込めば、相手は退いてしまうか、拒絶することでしょう。

やはり『友だちでも言っていいことと悪いこと』はあるのです。

 

では、人と人との心理的な距離はどうでしょうか。

人と人との距離  2021.7.25pdf

上を、クリックしてみてください。

ここでは、【人と人との距離感】についてのランキングが表示されています。

彼女と話して、バスケット部で結構活躍しているので、バスケについての会話では、部員たちとかなり会話ができると感じました。

しかし、その部活の話題の雰囲気のままで、部活以外のプライベートに立ち入ってしまう状況も分かってきました。

 

そんな彼女と私は、仮想の事例について考えるとともに、二人でロールプレイしてみました。

彼女は、部活動の打ち合わせなどの場面では、級友としっかり話し合うことができます。

それは、その種の会話は、あらかじめゴールが決まっている上での事務連絡的な要素が強いと思います。

すなわち、ルーティーンを重んじる彼女にとって慣れている思考・行動バターンと考えます。

しかし、前述した場面(頑張ろうね⇒自主練習しよう)という流れにおいて、彼女は当然のこととして(相手も賛成したから、明日から

始める)と考えますが、相手は(頑張ろうね⇒自主練習しよう⇒練習の日程は、また今度考えよう)と考えることを、なかなか理解でき

ません。

そこで、仮想の事例を設定して、二人で立場を入れ替えて、相手の気持ちを理解する取り組みをしてみました。

始め彼女は不満そうな顔をしていましたが、「そうか」と彼女なりに相手の気持ちが、少しは理解できる場面がありました。

本当に『少しは』ですが、こうした小さな一歩をかさねていくことで、相手への理解を深めさせたいと考えます。

その一方、学級や学校の行事に取り組む中で、公の関係づくりを通して、人と人との距離について、分からせていきたいとも考えていま

す。

またまだ試行錯誤の段階ですが、この取り組みを今後も続けていきます。

 

ハピネスでは、こうした身近な問題をもとに、参加者全員で話し合ったり、ロールプレイでスキの練習をしたりする会【コミュニケー

ションカフェ】を開いています。

リアルでもOnlineでも開催しています。

詳しくは、このHPのトピックスをごらんください。