【見てみぬふりは許されない】コミュニケーションが苦手な人との上手な関わり方【不登校に目を向けて】⑩

今月は、【不登校】について、みなさんと一緒に考えています。

プロローグ

【不登校】についての知識の一例(以下、今回までの内容については、過去のブログをご覧ください)

本論

1 不登校の考え方の変遷

2 文科省による不登校の定義

3 不登校児童生徒数の推移

4 【不登校】の理由

① 学校生活に起因

② 家庭生活に起因

③ 本人の気質に起因

5 学校生活に起因の具体的なケースについて

【○○中学校1年5組 授業中に、勉強が苦手な生徒を傷つける言葉が、級友から投げかけられたケース】

ここで大切なことは、『本読みを間違えて、心無いことを言われた子ども』と『心無いことを言った子ども』だけの問題ではないとい

うことです。

①被害者のケア

②加害者の指導

③観衆の指導(前回の内容)

【いじめ加害者グループ】の仲間でないのに、仲間のようにふるまった子ども、またその行動を周囲で囃し立てたり、煽ったりし

いる子どものことを、【いじめの観衆】と呼びます。

彼等に対しても、もちろん指導が必要ですが、その時に大切にしたいのは『いじめをおもしろがっている子どもに、自分が【いじめ】に加

わっていることを自覚させ、どうすべきかを考えさせる』ということです。

ともすれば「みんなもやっているから」と他人事のように考えている子どもたちに、自分事として考え直させることを目指しましょう。

④傍観者の指導(今回の内容)

前回、紹介した『嫌がる被害者から取り上げた筆箱を、加害者や観衆が返さなかった』事例を基に、お話します。

このとき、おそらくは教室内で騒動になっていたと思います。

しかし、騒いでいる子どもたちに『我関せず』と友人とおしゃべりしていたり、本を読んでいたり、他のクラスの友人のところや職員室へ行っていた

り、またトイレへ行っていたり‥という子どもたちもいたことでしょう。

学級全員に、この『問題』について問いただすと、「私は知らなかった。関係ない」と言う子どももいるのではないでしょうか。

しかし、本当にそうでしょうか。

今まで、全く何もなかった平穏なクラスで、突如としてこうした『問題』が生じるでしょうか。

表面的には、こうした『問題』はなかったかもしれません。

しかし、こうした『問題』が発生する土壌は十分あったと思います。

そこで、『学級の問題は全員の問題』として、学級全員に話すことが大切と考えます。

その際には、

❶ みんなそれぞれ価値観が異なるのだから、『好き・嫌い』『得意・苦手』も異なる。

  それは、だれが正しくて、だれがまちがっているかということではない。

  「自分は気にしないから‥」は、あなただけの価値観にすぎない。

  相手は、気にするかもしれないということに思いをはせよう。

❷ 異なる価値観であっても、全員がクラスの大切な仲間であることには変わりはない。

  だから、だれかが嫌な思いをしている時に、【見てみぬふり】は許されない。

  クラスの大切な仲間が嫌な・辛い思いをしている時に、その気持ちを分かり合えるクラスを目指そう。

といった趣旨の話をしてはどうでしょうか。

 

以上、『いじめが発生したときの4つの役割』について、お話しました。

こうした指導を積み重ねていくことで、① 学校生活に起因 の不登校を防いでいきたいと考えます。

 

次回からは、② 家庭生活に起因 の不登校について考えていきます。

 

こうした身近な問題をもとに、参加者全員で話し合ったり、ロールプレイでスキの練習をしたりする会【コミュニケーションカフェ】を開いていま

す。

リアルでもOnlineでも開催しています。

詳しくは、このHPのトピックスをご覧ください。