【友だちという呪縛~ボッチ上等~】13 親よりも友だち志向「ママの好みは、もう嫌」

 

現在、私はスクールカウンセラーとして勤務しています。

中学校の教員として、また大学の非常勤講師として、若い世代と長い間関わり合ってきましたが、今目の前にいる子どもたちの抱えている問題は、

決して【子ども】だけの問題ではなく、私たちの社会が抱える問題そのものではないでしょうか。

そこで、『子どもたちの相談』を切り口として、私たちを息苦しくさせている『何か』に迫っていきたいと考えます。

 

前回から、【自分の価値が周囲から低減されていることを言うのは、死ぬよりも辛い】とのアドラーの言葉(嫌われる勇気より)を参考

にして、自分の存在を否定されているということを、周囲の大人などに打ち明けて、「私を助けて」とえることができない子どもたちの背景・環

について考えています。

 

子どもたちの状況1 思春期の発達段階について

思春期の子どもたちの特徴としては、大きく分けて次の3点があげられます。

① 身体の急激な変化

② 心の急激な変化

今回は、③【他者との関係性の変化】について考えます。

③ 他者との関係性の変化

先日、小学5年生女子のお母さんから、相談と言うか‥まぁ愚痴のようなお話をうかがいました。

父母娘1人という家族で、「自分で言うのも何ですが、まぁまぁ仲良し家族と思います」という家庭環境で、おしゃれ好きなお母さんは、よく5

年生の娘さんと一緒にショッピングに出かけていました。娘さんは、リボンやフリルがたくさんついた可愛い服がお気に入り(と、お母さんは思っ

ていました)で、それはお母さんの好みでもあるので、お父さんから「また服買ったの」と文句をつけられながらも、母子で楽しいひとときを過

ごしていたそうです。

ところがある日、「友だちと服見てくる」と娘さんが言うので、お母さんは「無駄遣いしないでよ」と言いながら、お小遣いを渡して、彼女は出か

けました。

お母さんとしては、初めての出来事でしたから、「どんな服を買ってくるのだろうか?」とワクワクしていました。

そして、帰宅した彼女が見せてくれたものは、『穴のあいた汚いジーンズ』(お母さん曰く)でした。

「えっ、何これ。こんな汚いのを着るの」というお母さんに対して、彼女は「みんなでお揃いで買ったよ。○○ちゃんがいろいろなこと知ってい

て。○○ちゃんはいつもかっこいいし。ねっ、これもカッコいいじゃんね」と言いました。

その言葉に、お母さんは思わず「こんな汚いののどこがかっこいいの」と言ったのですが、すると「口答えはしなかったものの、娘が凄い顔でにら

んできた」そうです。

今まで大きなトラブルがなかった母子関係でしたが、それ以来、娘は何かというと「○○ちゃんは‥‥」と言うようになり、娘との間に距離を感じ

るようになったそうです。

「これが、思春期、反抗期というものですか?」と、質問することで、自分自身を納得させようとしているように感じました。

 

いかがですか?

みなさんは、どのように感じられましたか?

母親の好みと異なる服を子どもが買ってきたというだけのことですが、ここには小学5年女子の価値観の変容が現れています。

すなわち、『親よりも友だち志向』が始まったのではないでしょうか。

これは、決して親を嫌っているということではありません。

しかし、次第にその軸足が親の庇護から外れ始めたということでしょう。

そして、これは子どもたちの発達段階から考えて、とても自然なことではないでしょうか。

ぜひとも、世の親さんたちには、冷静に受け止めていただきたいと思います。

 

次回は、現代の子どもたちの対人関係力の変容について、考えていきます。

 

 

こうした身近な問題をもとに、参加者全員で話し合ったり、ロールプレイでスキの練習をしたりする会【コミュニケーションカフェ】を開いてい

ます。

リアルでもOnlineでも開催しています。

詳しくは、このHPのトピックスをご覧ください。