子どもたちは、話したがっている 25 話さないからといって、話すことがないわけではない

この連載の、そもそもの始まりは‥
保護者の方や先生方の「子どもが話してくれない」という悩みに、お応えしようと始めました。
『スクールカウンセラーとして勤務していると、保護者や先生から「子どもたちが話さない」という相談をよく受けます。そんな『話さない(と思われている)子どもたち』ですが、実は『自分の気持ちを分かって欲しい』と絶えず思って
います。そのため、子どもたちは『自分の気持ちを分かってくれそうな大人』を絶えず求めています。そんな『気持ちを分かってくれそうな大人』になるための第一歩は、子どもの話をきちんと聴くこと(良い聴き手になる)
ではないかと考えます。しかし、実際に子どもたちに寄り添って話を聴いていると、いろいろな悩みが生じてきます』
第1部 子どもたちが「話さない」理由及び解決の提案について考えました。
第2部 具体的な事例をもとに考えました。
事例1 「うーん、訊き方下手!『大丈夫か?』では、誰も答えないよ」
事例2 「先生、あなたの進路ではなく私の進路です」
事例3 「先生の偏見で、私を見ないでください」
事例4 「先生、私も見て!」
事例5 「約束って‥それ、俺の約束じゃねえし‥」
事例6 「伝えたいのは何?力関係?それとも気持ち?」
第3部 「聴く」ときに心掛けたいことについて<相手との会話で気を付ける具体的な考え方やスキル>
事例1 話に来なくなった、中学1年Aさんの場合
事例2 「私の気持ちをわかって」って?
事例3 「場面緘黙」の小学3年生と仲良くなって
事例4 「ヤンキー生徒」の万引き騒動で気づいたこと
スキル6 「言わないことに意味がある」
事例5 話していないと、話せない or できることから始めよう
今、小学校のスクールカウンセラーをしていますが、今年になってから『場面緘黙』である2年生の男子と会っています。その際に、ただ会うのではなく、相談室で一緒に給食を食べています。『場面緘黙』の彼ですから、話し合うということはなかなか無理であろうと判断しての方法でしたが、これが予想以上に彼に適していたようで、なかなか会話?がはずみます。その会話は、私が「今日の給食は好き?」といった二者択一のクローズエンドの質問をし、彼がうなづくという方式でしたが、そのうなづきがあまりにも微かなので、私の差し出した手のひらの方へ指を指し示すと言う方法(はい➡右手 いいえ➡左手)をとりました。回数を経るにしたがって、私の手のひらに触ってくれるようになりました。さらに、「好きなゲームは何?」という二者択一では答えることが難しい質問では、私のノートに書いてくれるようになりました。彼はいつも穏やかな表情ですが、時々にこっと笑うようになり、終了時に「私は来週も○○ちゃんとお話したいし、一緒にお昼ご飯を食べたいけれど、○○ちゃんは来てくれる?」と尋ねると、うなづき、私とハイタッチをして教室へ戻っていきます。
『場面緘黙』の児童と、どのように接するとよいかが分からず、苦肉の策で始めた方法でしたが、幸いなことに彼と私の場合では、児童が好意的に受け止めてくれたようです。
保護者によると、「この子は家ではうるさいくらいに喋ります」とのことだすから、『もともとの性格的な問題?』『学校で何か嫌なことがあり、話せなくなったのか?』等と推測しましたが、状況は少し違うのではないかと思えてきまし
た。
すなわち、『人前で話せない・話すことが苦手』ということから、児童の『アウトプット』の問題に焦点を当てて考えてきましたが、児童の表現方法やノートに書く文字の未熟さを考慮すると、『インプット』も苦手で、授業がわかってい
ない、その結果怖くて何も言えなのではいないかと考えるようになってきました。
その一例として、給食時の授業の食べる分量の少なさに驚いて、「そんなに少なくていいの?」と二者択一だ尋ねた上で、「どうして、そんなに少ないの?」と尋ねて、ノートに記述するように説明したときに、なかなか会話が通じなくな
ってきました。
このことだけでは、理由はまだ分かりません。
しかし、児童について知るそして児童が生きやすい環境を考えていくことの、入口には立てたように思います。
話が、すこしそれましたが、『この子は何も話さない』からといって、話すことが何もないわけではありません。
私たちは、忙しさのあまり、ついつい目の前の事象への対応に追われてしまいがちですが、目の前にある事象は、本当に氷山の一角であり、そのしたにある多くのさまざまな事象にも、心配りをしていと思わさせられるきっかけとなりまし
た。
みなさん、いかかでしょうか。
スキル7 「話さないからといって、話すことがないわけではない」
こうした身近な問題をもとに、参加者全員で話し合ったり、ロールプレイでスキルの練習をしたりする会【コミュニケーションカフェ】を開いています。
リアルでもOnlineでも開催しています。
詳しくは、このHPのトピックスをご覧ください。

