【相手を理解するということ】コミュニケーションが苦手な人との上手な関わり方【感情のコントロール】2
今回は、【コミュニケーションが苦手な人との上手な関わり方】を主のテーマとしながら、【感情のコントロール】に焦点を当てています。
前回以下の状況を、ご紹介しました。
みなさんは、どのように思われましたか?
あなたは、○○中学校1年5組の担任として、毎日学級経営に頑張っています。先週、学級の女子グループの中で、トラブルがありました。AさんB
さんCさんは、とても仲良しで、いつも3人で一緒にいます。しかし、Aさんが登校して教室の窓際にいたBCさんに「おはよう」と声をかけたの
に、二人は無視しました(Aさんはそう思いました) そこで「嫌われた」と思ったAさんは、ムカついてクラスの女子たちに、「BCさんの悪口」を言
い、それがBCさんの耳に入り、女子の中で大きな事件となっています。
「Aちゃん、どうしてそんな軽はずみなことことを言ってしまったの?」と思われるのではないでしょうか?
でも、こういうことって中学生女子だけのことでしょうか?
また、本当にそれだけのことでしょうか?
ここで問題点を考えてみましょう。
①Aさんは、「仲良しのBCさんに挨拶したのに無視されたから、私は嫌われた」と言っています。
Aさんは、そのように思ってしまったのですが、ここでその状況について冷静に考えてみましょう。
まず、Aさんの言った「おはよう」は、相手のBCさんに聞こえていたでしょうか?
Aさんは直接、私のところに相談に来たので、そのあたりの状況を尋ねてみました。
実は、Aさんは私と話す時でも、小さな声でした。
そこで、「本当に相手に聞こえていた?」と尋ねると、初めは「絶対聞こえていた」と言っていましたが、話が進むにつれて「聞こえていたと思
う」と、かなりトーンダウンしてきました。
そこで、「BCさんは聞こえていなかったかもしれないね」と言うと、「うん‥」と考えが揺れ動き始めました。
②Aさんは、ムカついたから「BCさんの悪口」を、クラスの他の女子に言いました。
「どうして?」と尋ねると、「だって無視されて、ムカついたから」と言います。
そこで、「でも、そんなことしても何も解決しないし、ますますBCさんとの仲がまずくならない?」と尋ねると、「今は、そう分かるけど、あの時
はそんなことよりもムカついていたから」と言います。
そこで、「それはね‥」と話しかけたところ、「だって聞いて、この前の日曜日に二人だけでイオンへ行ってるんだよ」と話します。
なるほど、今回の怒りの核心はここなのです。
「挨拶を無視した」の背後には、「二人への不信感があった」ということです。
そこで、Aさんに「今考えてみて、本当に腹が立っていることはどっち?挨拶をスルーされたこと?BCさんの二人でイオンへ行ったこと?」と尋ね
ると、しばらく黙った後「イオンへ二人で行ったこと」と答えました。
そこで、「挨拶のスルーと同じように、イオンへ行ったことにも、Aさんが思っていることとは違う事情があるかもしれないよ」と話し、BCさんと
話すことにしました。
BCさんと話し合った結果は‥
こうした身近な問題をもとに、参加者全員で話し合ったり、ロールプレイでスキルの練習をしたりする会【コミュニケーションカフェ】を開いていま
す。
リアルでもOnlineでも開催しています。
詳しくは、このHPのトピックスをご覧ください。