【お母さんのスキルが凄い】コミュニケーションが苦手な人との上手な関わり方【不登校に目を向けて】38
昨年から、【不登校】について、みなさんと一緒に考えています。
プロローグ
【不登校】についての知識の一例(以下、今回までの内容については、過去のブログをご覧ください)
本論
1 不登校の考え方の変遷
2 文科省による不登校の定義
3 不登校児童生徒数の推移
4 【不登校】の理由
① 学校生活に起因
② 家庭生活に起因
③ 本人の気質に起因
5 学校生活に起因の具体的なケースについて
①被害者のケア
②加害者の指導
③観衆の指導
④傍観者の指導
6 家庭生活に起因の具体的なケースについて
事例① 嫁姑のちょっとした考えの相違から不登校?
事例② 『韓流』は【不登校】に効く?
7 本人の気質に起因の具体的なケースについて
事例① ASD(自閉症スペクトラム)傾向のAくんのケース
8 発達段階で配慮すべきポイント
【小学校】の段階で必要なこと
【中学校】の段階で必要なこと
【思春期の特徴のおさらい】
9 不登校が児童生徒に及ぼす影響
① 学習の遅れ
② 社会的自立の基礎を身に付けにくい
10 不登校への対応策
①個別の発達援助
②学級集団などの学校環境への介入
③親子関係などの家庭環境への介入
④関係機関との連携
❶『その適応教室は、何を目指しているか』
❷『適応教室の他の不登校の子どもと比べない』
❸『あきらめることなく、長い目で成長を見守りましょう』
10 不登校に対応する際の『大切にしたいこと』
① 不登校はいつでも、誰にでも起こる。
② 100人の不登校の子どももがいれば、100とおりの理由・原因がある。
③ 不登校の原因・理由を考えることは大切だが、今後その子をどのように支えるかがもっと大切。
④ 保護者だけで支えることには限界がある。周囲にあるリソースを使いこなそう。
⑤ 学校は、担任の先生にはこんな状況での悩みもあります。
⑥ 学校での、WIN WIN の対応
小さな子たちは「○○さんは、嫌な授業の時は休んでいて、楽しい時だけ来るのってズルい」と思い、しばしば口に出します。
こうした言動は、周囲の子どもたちが成長するにつれて、めっきり聞こえなくはなってきます。
(もっとも、周囲が不登校の子どもが抱えている問題への理解が深まったのか、私たちとは別の人ととらえるようになったのかは分かりません)
そこで、双方(不登校の子も登校している子も)がともに納得できる、WIN WIN の関係を築くには、どうすればよいかについて、前々回から
お話しています。
その際に、提案したことは「全員を特別扱いすればいい」でした。
こうお話するとすぐに、「そんなことは無理」とか「きれいごと」といった、みなさんからの反応が予想されます。
実際に、大学で話したときにも「そうなったら素敵ですが、そんなに熱心に働いたら、それってブラックではないですか?」という質問がありまし
た。(今の学生さんたちは、教育・教師についての多くのネガティブな情報に接しているので、どうしてもこうした反応になりがちです。)
しかし、この考えにたどり着いたきっかけは。あるお母さんの子育てのスキルです。
ですから、あながち机上の空論というわけでもありませんが‥
そのお母さんとは、私が常勤のスクールカウンセラーとして中学校に勤務しているときに、知り合いました。
一番上の子が、中学校の特別支援学級2年生で、発達障害傾向が強く、先生や級友と結構もめ事を引き起こしていたので、お母さんが私のところに相
談に通われるようになり、いろいろとお話することとなりました。
アウトリーチの一つとして、家庭訪問にもうかがい、お母さんはもちろん、お父さんとも親しくお話することができるようになりました。
親しくなるにつれて、「少子化」が問題とされている昨今、子どもが6人もいることに驚きました。
そして、その全員が「お父さん」「お母さん」を大好きでいることに、感銘を受けました。
どの子からも、「私よりも○○ちゃんの方が大切にされている」といった嫉妬のような思いを感じることがありませんでした。
そこで「ねぇ、お母さんはとっても上手に子育てをされているように思うけど、何か秘訣はあるめの?」と尋ねたところ、「そんなこと何もないよ」
との返答でしたが、子育ての状況を知るにつれて、素晴らしいスキルが見えてきました。
それは、『6人の子どもに平等に愛情をかけていたら、一人当たり1/6になってしまうので、「今日はこの子の日」と決めて、その日は一人が二人
の子を特別扱いする』ということです。
例えば、夕方スーパーに買い物に行くときに、「今日は○○ちゃんと△△ちゃんが、一緒に買い物に行くよ」と言って、その二人を連れていき、他の
子たちは留守番となります。
そして、買い物が終わった後で、「ちょっとおいしいもの食べようか」と提案して、三人でマックとかパフェを食べて、その間に二人とたくさん話を
するのです。
そうすると、その二人にとっては、その日のお母さんの愛情の1/2を独り占めできるわけです。
もちろん留守番の子たちは、寂しい思いをするわけですが、ちゃんと自分の順番がやってくるので、我慢することもできます。
いかがですか?
感銘を受けている私に対して、お母さんは「そんな大したことやってないって」と言われましたが、私はすごいと思いました。
みなさんは、どのように思われますか?
この方法が、今回お話している『どの子も特別扱い』の考え方のベースとなりました。
確かに、全ての子に対して、同時に「どの子も特別扱い」は無理んと思いますが、もう少し長い期間でとらえれば、決して無理なことではないと考え
ます。
いかがでしょうか。
こうした身近な問題をもとに、参加者全員で話し合ったり、ロールプレイでスキルの練習をしたりする会【コミュニケーションカフェ】を開いていま
す。
リアルでもOnlineでも開催しています。
詳しくは、このHPのトピックスをご覧ください。