未来の教員を目指す学生と関わって3部④

この連載の第1シリーズとして、発達障害を中心とした【学級・学校に適応することが難しい子どもとの係り】について、また第2シリ

ーズとして【学力差がある集団への係り】について、教員を目指す彼らが抱えている不安について考えてきました。

今シリーズでは、【一見仲良さそうに見えるなれあい集団内部への係り】について、考えていきます。

 

子どもたちは、活発に楽しそうににぎやかに活動しています。

しかし、このグループ内では、外から伺えられない『人間関係のトラブル』が生じていることがよくあります。

 

今回は、その対応策について考えていきましょう。

一例として、この時期の女子たちは、『チャム』というグループに所属していることが多いですが、『チャムグループ内の人間関係』

なると、それに関する情報は一切外部へ出てきません。

それは、なぜでしょうか。

それ以前の子どもたちは、保護者など周囲の大人に思考においても行動においても、価値判断を委ねることが多かったかと思います。

例えば、小学生の低学年の頃までは、自分が着る服を選ぶときに、母親の判断が大きなウェイトをしめていたと思います。

ですから、母親好みの可愛い服を着ている子どもを、よく見かけるわけです。

しかし、中学年から高学年になると、子ども自身が『自分の好み』を主張するようになります。

そこで、ファストファッションや汚れた雰囲気のカジュアルな服を着ることが増えてきます。

それは、マスコミに登場するアイコンもそうですが、多分に友人の影響に左右されているからではないでしょうか。

こうして、子どもたちの価値判断の基準が、親から友だちへと変化してきます。

もちろん、これは一つの例にすぎませんが、こうしたことが積み重なることで、影響力の強い子どもの好みや気持ちが、周囲の子どもの

言動を律することとなっていくと考えます。

つまり、子どもの中のオピニオンリーダーを中心とした集団が形成されていきます。

(いわゆるカーストも、このことから発生していると考えます)

そこで、他の子どもたちのリーダーへの依存も強まっていきます。

こうなると、リーダーの考えは絶対です。

実際に、現在教えている大学生からも、「なぜ、あんなに一人の子に依存していたのか、分からない」という気持ちが、講義の後の振り

返りに書かれていました。

この『一人の子どもに対する依存関係』を、どのように変えていくか。

それは、『一人の子どもを絶対視して依存する関係』以外の、関係を構築することと考えます。

その結果、『一人の子どもへの依存度』を、相対的に低くすることではないかと考えます。

具体策は、次回へ。

 

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詳しくは、このHPのトピックスをごらんください。