若者のトリセツ【やさしさが止まらない】⑭

『ユーメッセージ』よりも『アイメッージ』で話すことによる効果について、さまざまな機会でお話してきました。

しかし、このごろの大学の授業での様子を見ると、そもそも学生たちは『ユーメッセージ』で話しません。

ほとんど全員が初めから『アイメッセージ』で話しているのです。

それも、かなり卑屈な言い方をしています。

どうして大学生は、事例(以前のブログ参照)の場面でも、相手に謝罪を要求せず、妙に物わかりの良い人を演じているのでしょうか。

 

学生たちと意見交換をした結果、以前にお話した思春期の子どもたちの集団であるチャムでの付き合い方も、大学生になってからの付き

合い方も『相手にとって耳触りの悪いと』は言おうとしないという共通点を見つけました。

 

こうした共通点は、なぜでしょうか?

 

『相手を傷つけるのでは』という心配もあるでしょうが、それよりも『相手に嫌われて、私自身が傷つく』安が大きいのではないか

思えてなりません。。相手を思う優しさではなく、自分が傷つかないための保険である『優しさ』で、相手と接していると考えます。

どうして、ここまで周囲に対して防衛しないと、付き合うことができないのでしょうか。

 

このことについて、次の2点を考えてみました。

① 自立した個人どうしの対等な関係が築きにくい

② 自分に自信がないので、周囲の影響を受けやすい

 

①自立した個人同士の対等な関係が築きにくい について、お話をしてきました。(以前のブログをご覧ください)

②自分に自信がないので、周囲の影響を受けやすい について、前回取り上げました。

このことについて、ある女子大学生が、自分の体験を基に話してくれましたが、自分に自信がないので周囲からの意見・評価に影響され

というのは、子どもや若者に限らず、私たち大人も同じではないかと考えています。

このことは、『自己肯定感』としてよく話題になっていますが、もっぱら『自己肯定感をどのように高めるか』『自己肯定感が高いこと

は、どのように有利か』といった視点で語られています。

『自己肯定感』は高くなければならないのでしょうか。

『自己肯定感』が低いと、いけないのでしょうか。

それは、いつもいつも自己肯定感低くものごとを考えていると、『マイナスのループ』に陥ってしまうからと考えます。

なぜならば、私たち(日本人)は『ネガティブ』思考がとても得意だからです

 

例えば、『先日購入したばかりの新品のワンピースを着て出社したところ、同じ課の女性たちから「わぁ、○○さんの今日の服素敵ね。

とってもよく似合っているよ」と言われました』

その時、みなさんならばどのように返答されますか?

おそらく多くの方は、「えっ、そんなことないわ」「たいした服じゃないのよ」「えっ、ユニクロだから、全然」(大学生の返答)等

と、いわゆる日本的に言えば『謙遜』して答えられるのではないでしょうか。

でも、それが『ネガティブ思考』ではないでしょうか。

褒められたなら「本当?うれしい。ありがとう」と答えるようにしませんか?

これが、ポジティブな解答と考えます。

これは、とても些細な事例です。

でも、いつも『ネガティブ思考』を続けていると、自分を認めることができなくなってしまうのではないでしょうか。

その結果、自分自身を傷つけてしまいやすいのです。

自分で自分を『生きづらく』させてしまうと考えます。

 

次回から、具体的な事例とともに、その解決について考えていきましょう。

 

ハピネスでは、こうした身近な問題をもとに、参加者全員で話し合ったり、ロールプレイでスキの練習をしたりする会【コミュニケー

ションカフェ】を開いています。

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詳しくは、このHPのトピックスをご覧ください。