相談ー相手の話の聴き方・話し方⑤ 未来の教員を目指す学生と関わって番外編

この連載の内容として

第1シリーズでは、発達障害を中心とした【学級・学校に適応することが難しい子どもとの係り】について

第2シリーズでは【学力差がある集団への係り】について

第3シリーズでは【一見仲良さそうに見えるなれあい集団内部への係り】につい

第4シリーズでは『教職を目指す学生が考える【理想の教師像】』について考え、教師を目指す彼らが『悩みを抱えている子どもへどの

ように寄り添うかについて、考えました。

今は、シリーズの番外編として、そうした【寄り添い方】について考えています。

まずは、『寄り添い方』の第一歩として、『話の聴き方』から始めていきましょう。

 

質問①

親しいAさんから「ねぇ、私の話をきいて、私の気持ちをわかって」と頼まれた時の『わかって』は、『解って』『分かって』『判っ

』のどれにあたるでしょうか。

解答①

相談者は「私の悩みをわかって」と言っているのですから、つまり『分かち合う』のですから、『わかって』は『分かっ

て』となるわけです。

 

質問②

あなたの『相手の話を聴けない人チェック

1 自分の心に余裕がないから、相手に関心を向けられない。

2 相手の持つ力や可能性への信頼がないから、指示・アドバイスが多くなる。

3 自分にOKと言えないから、相手にもOKと言えない。

解答②

1 もし「心に余裕がなくて、とても無理」と思われるのでしたら、「ごめんなさい。今、私何だかいっぱいいっぱいで。きっと、何も

良いアイデアが浮かばないと思うけど、聞くだけでいいなら、聞かせて」と言っても、いいのではないでしょうか。

ここで、勘のいい人でしたら「ごめんなさい。勝手に話して。また、今度聞いてね」と言うことでしょう。

そうでない人でしたら、「うん。聞くだけ聞いて」と言うでしょう。そうならば、本当に「聞くだけ聞いてあげれば良い」と考えます。

あなたとしては、誠意ある態度を示したのですから、それで何も問題はありません。

2 『受験を控えているのに、ゲームばかりやっている子どもと保護者の関係』を想像してみてください。

仮に「約束」をとても、わが子が約束を守って勉強することへの不信感が強いので、「あと20分で勉強時間だよ」とか「今日は何をやる

の?」等と、ついつい言ってしまいます。

この不信感からのアドバイス・指示に対して、子どもは反発してしまい、またトラブルが発生するわけです。

 

 『自分にOKと言えないから、相手にもOKと言えない』について、考えてみましょう。 

このことは、『自己肯定感』の考えにつながっていると思います。

すなわち、『自己肯定感』が高いということは、今の自分の生き方にOKと言えるわけです。

そういう人ならば、相手を受け入れることも可能です。

つまり、相手にOKと言えるわけです。

ところが、自分にOKと言えない』とは、現在の自分自身の生き方について満足することができず、暗中模索している状態と言っても

いいかもしれません。

そんな状態の時に、私たちはとても相手にOKと言えない』のではないでしょうか。

つまり、『自己肯定感』が低い状態のときには、私たちは相手を認めて受け入れることも、難しいということだと思います。

 

ここまで、『相手の話を聴けない人』について、考えてきました。

では、その反対に『相手の話を聴く』ために、私たちはどのような姿を目指せはよいのでしょうか。

次回、このことについて考えていきましょう。

 

 

 

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