生徒・子どもの心とどう向き合うか4 ハッピー物語75【番外編】より

Ⅰ 【生徒の心とどう向き合うか】にはマニュアルがない

かつての問題行動をする生徒たちは、学校・教師に対して心を閉ざして】いました。

あの頃の生徒たちと比べたら、今の生徒たちはとても穏やかであり、あの頃のような【問題行動】は起こりそうもありません。

しかし、そうならば【今の生徒の気持ちは分かりやすくなった】と言えるのでしょうか。

いいえ、答はNOです。

むしろ逆に【今の生徒の気持ちは分かりにくくなった】と言えると考えます。

その理由として、2つのことを考えます。

① 周囲の反応が気になって、本音が言えない

これは、生徒・子どもたちだけに言えることではないと思いますが、我々日本人に顕著にみられる【同調圧力】が以前にもまして強く

ってきたことの影響ではないでしょうか。

先日、私が主催しているコミュニケーションカフェ(コミュニケーションについて学んだり、ロールプレイ等によってコミュニケーショ

ンのスキルを高める活動)において【アンガーマネジメント】に取り組みましたが、その中で【同調圧力】のため「本音を言えず、良い

人と思われたいから、【怒りを我慢する】」という発言がありました。

以前は、こうではなかった少なくとも『ここまでではなかった』と思います。

その一つの例として、『友だち100人できるかな』という歌をごぞんじですか?

私は、この歌はとても残酷な歌だと思います。

この歌の影響で「友だちをたくさん作らなければならないから、みんなに好かれなくちゃ」と信じて、自分の感情を出せなくなった生

徒・子どもがどれだけ多くいることでしょう。

また、このごろのテレビやSNSで、いわゆる『神対応・塩対応』といった言葉がよく取り上げられています。

確かに『神対応』は素敵な対応と思います。

しかしその結果、生徒・子どもが「本当は嫌だけど、相手のことを考えて、そんなことを言ってはいけないんだ」と考え、周囲に合わせ

る対応をするようになっていくのは、自然ななりゆきではないかと考えます。

いずれにしても、その結果【周囲に良い人と思われたいから、本音を言わないでおこう】【周囲からよく思われたいから、本音は言えな

い】と考える生徒・子どもが増えてきたことは確かと考えます。

そのため、以前に比べて【今の生徒の気持ちは分かりにくくなった】のではないでしょうか。

みなさんは、いかが思われますか?

しかし、【今の生徒の気持ちは分かりにくくなった】理由は、これだけではないと思います。

明日、別の理由を考えていきましょう。

 

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