未来の教員を目指す学生と関わって4部⑦
この連載の第1シリーズとして、発達障害を中心とした【学級・学校に適応することが難しい子どもとの係り】について、また第2シリ
ーズとして【学力差がある集団への係り】について、第3シリーズでは、【一見仲良さそうに見えるなれあい集団内部への係り】につい
て、教員を目指す彼らが抱えている不安について考えてきました。
現在の第4シリーズでは、『教職を目指す学生が考える【理想の教師像】』をスタートとして、教育相談の持ち方などについて考えてい
きます。
さて、『教職を目指す学生が考える【理想の教師像】』アンケートについては、以前にご説明しました。
そして、このアンケートからは、なかなか興味深い結果が見えてきました。
1 第1位となったのは、【悩みを抱えている子どもへ寄り添う気持ちが強い】(詳しくは、シリーズの以前のブログご覧ください)
2 『彼ら自身の優しさ』が、不安やストレスの要因となることの一つの表れ(詳しくは、シリーズの以前のブログご覧ください)
大学の授業で、『自己肯定感』を高めるスキルの一つとして、『アイメッセージ』のロールプレイをした際に、『誰も傷つけたくない』
風潮が蔓延していることに驚きました。
そして、学生さんたちの『授業案』を採点していますが、『生徒にどのように考えさせるか』『そのために、どのような活動にするか』
といった、言わば【活動の幹】となることよりも、『周りの子どもを傷つけるような発言をしないように配慮する』といった、言わば
【注意事項】としたの配慮についての記述が多いことが気になります。
3 【問題行動をしてしまう生徒と正面から向き合う】への賛同も多かった
その一方、一般的に『生徒指導』のメインと考えられやすい【問題行動をしてしまう生徒と正面から向き合う】姿への賛成も多かった。
私が新米の教員だった頃は、『ヤンキー』『校内暴力』という言葉が盛んに言われていた時代であったので、【問題行動をしてしまう生
徒と正面から向き合う】という指導は、日常茶飯事であり、教師の仕事の中心となっていました。
しかし、今は違います。
教師を目指している彼らが、教師として働く学校での問題行動とは、『リストカット』『いじめ』『不登校』等というものになっている
と考えます。
私の頃が【ナイフを外へ向け】た時代と考えれば、現在は【ナイフを内へ向け】ている時代と言えるのではないでしょうか。
状況は、以前よりも多様化・複雑化してきており、マニュアルのない個々の状況に応じた対応が必要となっていると考えます。
それだけに、「頑張ろう」という彼らの意欲は買いたいと思いますが、それだけの知見やスキルが必要とも考えます。
そこで、『教育相談』の必要性について考えていきます。
ハピネスでは、こうした身近な問題をもとに、参加者全員で話し合ったり、ロールプレイでスキルの練習をしたりする会【コミュニケー
ションカフェ】を開いています。
リアルでもOnlineでも開催しています。
詳しくは、このHPのトピックスをごらんください。